【名門・慶應幼稚舎が採る独特なクラス分けの秘密とは?】 | BEST T!MESコラム

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名門・慶應幼稚舎が採る独特なクラス分けの秘密とは?

慶應幼稚舎の秘密④

「東大理Ⅲより難しい」―

“慶應義塾幼稚舎”の入試を評するときによく使われる表現だ。ここでいう「理Ⅲ」とは東京大学理科Ⅲ類。全国に82ある医学部の中でも、断トツの偏差値を誇り、国内の大学入試で最難関とされる東大医学部である。彼らのキャラクターのせいもあって、言い方は悪いが、「偏差値オタク」との呼称が理Ⅲの代名詞になっているほどだ。

 ここまでの地位を築き上げた教育機関のクラス分けの手法の秘密を解き明かす。(『慶應幼稚舎の秘密』より引用

■クラス分けには意図がある

 

 クラス分けについて触れておこう。能力別クラス編成をやめ、6年制の小学校となった1898年度以降、しばらくは1学年1クラスだった。1911年度からは上学年の一部を2クラスにし、1916年度の新1年生からはすべて1学年2クラスとなった。

 男子校だった幼稚舎が戦後になって、女子生徒を採り始めた1948年度からは1学年3クラス。2002年度からは現行の1学年4クラス体制となった。1クラスに男子生徒24人、女子生徒12人で計36人。それぞれのクラス名は慶應をローマ字表記したK組、E組、I組、O組となっている。なお、3クラスから4クラス体制になる際に増えたのはI組である。クラスカラーはK組・青、E組・黄、I組・緑、O組・白となっていて、運動会などの競技ではその色のハチマキをする。

 クラス分けは生徒をアトランダムに分けるのではなく、かなり意図的に編成しているといわれている。「そうした噂があるのは承知しているが、入学試験の際に把握した生徒のプロファイルを参照することはあっても、〝意図的〟というのとはちょっと違う」と話すのは、前出の幼稚舎関係者だ。しかし、生徒の顔ぶれを見ると、クラスによって顕著な傾向があるのはまぎれもない事実である。

 4クラスの中で、K組がもっとも慶應らしいクラスといえるだろう。「慶應らしい」というのは、同校の出身者には実家がオーナー企業を経営しているケースが少なくなく、さらにその子弟が幼稚舎に入るパターンがよく見られるからだ。そして、そうした子どもはK組に入れられることが多いというわけだ。

 実際、父親や祖父が同族企業の創業者一族で、しかも単に慶應を出ているというだけでなく、幼稚舎出身というケースが目立つ。また、親や祖父だけでなく、親族の中にも慶應OB・OGが多い。

 このクラスの生徒たちは勉強一辺倒よりも、遊びやスポーツに精を出すことが奨励され、級友同士の交流も活発だ。オーナー企業の御曹司として、将来の人脈づくりに役立つように配慮しているのだ。

 O組は開業医の子弟が目立ち、生徒の多くは将来、医学部進学を目指している。高い偏差値が求められるので、4クラスの中で唯一、スパルタ式の詰め込み教育が行われている。担任も、そうした受験技術に長けた教員が就くようだ。

 幼稚舎生の大半は最終的に慶應大に進学するが、このO組だけは違う。私大医学部で最難関の慶應に進めるのはほんのひと握り。ひとりいるかいないかで、よほど優秀な年でも3人程度だ。したがって、O組出身者は途中で進路を変更して、慶應大の医学部以外の学部に進むか、医学部に固執する場合は、他の私大医学部に進むケースが多い。

 E組とI組は、前の2組と比べると、際立った特色はない。親族に慶應出身者がいる場合もあれば、そうでない場合もあり、まちまちだ。どちらかといえば、サラリーマン家庭で育った子どもが目立つが、よく話題になる芸能人の子どもなども、この両組のどちらかに入れられることが多い。

 他の小学校でもそうであるように、E組とI組では文武両道が奨励される。天気が良ければ校庭で遊び、雨が降っていれば教室で漫画を読むというのが、この2つのクラスでよく見られる光景だ。

KEYWORDS:

『慶應幼稚舎の秘密』

著者/田中 幾太郎

 

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一説には東大理IIIに入るよりもハードルが高いと言われる慶應義塾幼稚舎。小学校“お受験”戦線では圧倒的な最難関に位置づけられるブランド校だ。

慶應大学出身者の上場企業現役社長は300を超え、断然トップ。さらに国会議員数でも慶應高校出身者が最多。エスカレーター式に大学まで上がれるということだけが、幼稚舎の人気の理由ではない。

慶應の同窓会組織「三田会」(キッコーマン・茂木友三郎名誉会長、オリエンタルランド・加賀見俊夫会長などが所属)は強い結束力を誇り、政財界に巨大なネットワークを張り巡らしているが、その大元にあるのが幼稚舎なのだ。

慶應では幼稚舎出身者を「内部」、中学以降に入ってきた者を「外部」と呼び、明確な区別がある。日本のエスタブリッシュメント層を多く輩出してきた“慶應”を体現し維持しているのは、まさしく幼稚舎であり、多くの者が抱くそのブランド力への憧れが人気を不動のものとしているのである。同書では、出来る限り多くの幼稚舎出身者にインタビューを行い、知られざる同校の秘密を浮かび上がらせていく。

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