■当時の旅行必須アイテム、「自分だけの〇〇」を持つ

 ここまで東海道がどういう感じのものだったのかを見てきました。今度は当時の旅行ガイドブック「旅行用心集」、残っている品々などから、旅の必需品を覗いてみましょう。「自分だけの〇〇」を持って行くなんて、当時、外国なら王侯貴族・上流・ブルジョワたちのやることです。でも江戸時代の日本は庶民も持ち運んでいたんですねぇ。その物のレベルに差はあれど、大名・将軍と同じだったというわけです。

お財布、早足、道中差、矢立(簡易筆箱)、扇子、糸、針、懐中鏡、日記帳、櫛、鬢(びん)付油、旅枕、提灯、蝋燭、火打ち石、懐中附木(マッチ)、印判(家へ送金を頼むときに押す)、着替え、鼻紙、印籠(薬入れ)、鉤(かぎ)、麻縄、油紙、革袋(計24品)

 このうち「早足(小銭入れ)」は腰に付け、「 道中差 どうちゅうざし (中身が刀身ではなく小銭入れのタイプも多用された。脇差にしか見えないので中身の現金を盗まれにくい)」は腰に差すため、貴重品ですが荷物に勘定しなくてもいいかもしれませんね。

 皆さん、この中でどれが自分専用の物か、わかりましたか?

 はい、「旅枕」です。これは用心集には書かれていませんが持参者は多く、江戸時代初期からあったタイプなど、幾つか種類がありました。面白いのでちょっとどんなものか、簡単にご紹介したいと思います。

 
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