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スクラムとラインアウトを制するものはラグビーを制す。

「ラグビーのオモロイ観方」第5回

■高さだけでなく、サインプレーも重要なラインアウト

福田 スクラムはわかったので、次はラインアウトの解説お願いします!

大西 ラインアウトを他のスポーツのプレーでたとえるならば、おそらく一番わかりやすいのは、サッカーのスローインですね。ただ、サッカーは好きなところにどこでも投げられますが、ラグビーの場合、両軍のFWが1mの間隔をあけて一列に並び、ボールを列の間にまっすぐ投げて、ジャンプして取り合います。なので、ディフェンス側のチームでもボールを取る大きなチャンスなんですね。

福田 やはり、ラインアウトはラグビーならではのプレイですよね。

大西 そうですね。スクラムはパワーを競いますが、ラインアウトは高さを競うのです。ボールを捕るジャンパーは、もちろんチーム内で高身長の選手。ボールを投げるスロワーはフッカーの選手がつとめることが多いですが、チームごとに柔軟性があって背が高い選手が投げる場合もあります。

 スクラムは人数が8人と決まっていますが、ラインアウトはボールを投入する側が何人参加するのか決定権があり、ディフェンス側がそれに合わせるのが面白いところです。

福田 確かに!言われてみれば大勢いるときもあれば、少ないときもあるとは思ってたんですけど。

 

大西 どれだけ人数をかけるのかも駆け引きのひとつですが、攻撃側は相手にボールを捕られないようにあらかじめサインを使って、「誰が」、「どのように動いて」、「どの位置で」飛んでキャッチするか決めているのです。

福田 野球でもキャッチャーが次にどの球種を投げるか、ピッチャーにサインを出しますけど、それに似ていますね。

大西 ただ、ラグビーはラインアウトに参加しているFW全員に伝えなきゃいけないので、実際声出すところが違います。でも、基本は同じですね。

次のページ勝負の鍵を握るセットプレー

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大西 将太郎

おおにし しょうたろう

ラグビー元日本代表、解説者。

地元東大阪市の布施ラグビースクールでラグビーを始め、啓光学園高3年で全国高校大会準優勝。高校日本代表では主将を務め、スコットランド遠征全勝の快挙を達成。ジャパンラグビートップリーグ(リーグ戦)は通算143試合に出場。2007~08シーズンは「ベスト15」、「得点王」、「ベストキッカー賞」の三冠に輝く。日本代表には同志社大4年時(2000年)に初選出、以降、2008年のサモア戦まで通算33キャップ(試合)に出場。2007年ワールドカップフランス大会のカナダ戦では終了直前に同点ゴールを決め、12-12と引き分けながらも日本代表のワールドカップ連敗記録を13で止めた。 2016年現役引退。現在はJSPORTSやWOWOWのラグビー解説者として、また2019年ラグビーワールドカップの認知活動および、ラグビーの普及活動のため全国をまわっている。


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