■「ヤンママ」「アムラー」「コギャル」が登場

 平成6(1994)年には「ヤンママ」なる言葉が流行語になった。今ではヤングママの略称と認知されてるこの言葉。元々は1980年代の校内暴力華やかなりし頃に不良少女として闊歩した面々が、早期妊娠・出産を経てママに進化した様態を指す言葉で、ヤングではなくヤンキーママの略称であった。当時は揶揄を含む表現だったが、少子化に悩まされる今日の日本では、彼女らへの評価が百八十度異なっても不思議はない。

 ヤンママの下のハイティーン世代からも新たな人種が台頭した。それが「コギャル」。彼女らが憧れた人物が初代・平成の歌姫こと安室奈美恵。沖縄出身のダンスユニット、スーパーモンキーズから独立した彼女は、ユーロビートに乗せた「TRY ME~私を信じて~」で平成7(1995)年に大ブレイク。褐色の肌に茶髪、厚底ブーツにミニスカといったスタイルは「アムラー」なる信奉者を生み出す。

 アムラーという言葉は安室に人を表す英語の接尾辞のerを付帯させたものだが、このスタイルの命名は以後一般化する。突飛なキャラで一世な風靡した篠原ともえの追随者「シノラー」やシャネル愛好家を指す「シャネラー」といった言葉もこの系列だ。

 さてコギャル。当初は不良視されていたが、いつの時代もファッションは不良から膾炙していくもの。そのスタイルは普通の女子高生を次々に感化し、制服のミニあるいはマイクロ化が進み、ルーズソックスが瞬く間に広がり、チョベリバ/チョベリグ(超ベリーグッド/バッド)なるギャル語に至っては、女子高生どころか、いい大人までが口にするようになった。疑問形でもないのに語尾を上げる喋り方も大いに流行った。

 渋谷のマルキューこと109などのファッションビル周辺にアムロならぬタムロし、そこを拠点とするコギャルたちの中には、家に帰らぬ者も現れ、風呂に入らないため「汚ギャル」と呼ばれた。

 褐色はエスカレートし、「ガングロ」(顔黒)なるメイクを施す者も登場。潔癖性は日本人の長所でもあり短所でもあるといわれたものだが、タガが外れた若者の中には、コンビニの入り口付近や駐車場、あらに電車内などで、集団で地べたに直接座って延々と与太話を続ける者も現れ、「ジベタリアン」と呼ばれた。

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