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義務教育の「義務」とは何への義務か(後編)

移民にこそ義務教育を!

■外国人と義務教育

 

 今や日本では、中学生のおおよそ7人に1人(推計で約43万人)が、学校
を年に30日以上欠席する「不登校」か、そこまででなくとも学校に行くのを
おっくうがる「不登校傾向」を見せています。

 そしてこれは、じつのところ当たり前の話。

 義務教育の「義務」とは、国家にたいする義務なのですが、戦後日本は平和
主義の名のもと、国家を否定したがる傾向が強い。

 すなわち「学校になど行く理由はない」と構えているにひとしいのです。

 にもかかわらず、学校に行くのが義務であるかのごとく構えてもいるのです
から、子どもが矛盾に耐えかねて、気力をなくすのは自明の理。

『平和主義は貧困への道』とは私の近著のタイトルですが、驚くなかれ、平
和主義は学校崩壊への道でもあるのです!

 ・・・前編ではそんな話を展開したわけですが、義務教育をめぐる問題は、これにとどまるものではありません。

 例のグローバル化というやつで、現在の日本には、少なからぬ数の外国人も
居住しているからです。

 不登校(傾向)を持つ中学生をめぐる日本財団の実態調査でも、親が外国籍(元外国籍を含む)の子は、すでに不登校生徒全体の5%。自分自身が外国籍という子は5.1%、日本語を母国語としない子も3.6%に達しています。

 

(参考:https://www.nipponfoundation.or.jp/app/uploads/2019/01/new_inf_201811212_01.pdf

 

 しかも入管法の改正により、今年からは外国人労働力の受け入れがいっそう
本格化する。

 これら労働力の中で、「特定技能2号」に認定された人は、家族を呼ぶこと
もできるし、永住を含めた長期滞在も認められます。

 早い話が移民。

 自民党は2008年の時点で、向こう50年以内に移民を1000万人受け入れる「移民1000万人計画」を検討していましたが、この計画、みごとに実現するのではないでしょうか。

 移民が増えれば、就学年齢にあたる外国人の子どもも増える。

 しっかり対応してゆかねばならないものの、困ったことに現状はかなりお寒
いようなのです。

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佐藤 健志

さとう けんじ

佐藤健志(さとう・けんじ)
 1966年、東京生まれ。評論家・作家。東京大学教養学部卒業。
 1989年、戯曲『ブロークン・ジャパニーズ』で、文化庁舞台芸術創作奨励特別賞を当時の最年少で受賞。1990年、最初の単行本となる小説『チングー・韓国の友人』(新潮社)を刊行した。
 1992年の『ゴジラとヤマトとぼくらの民主主義』(文藝春秋)より、作劇術の観点から時代や社会を分析する独自の評論活動を展開。これは21世紀に入り、政治、経済、歴史、思想、文化などの多角的な切り口を融合した、戦後日本、さらには近代日本の本質をめぐる体系的探求へと成熟する。
 主著に『平和主義は貧困への道』(KKベストセラーズ)、『右の売国、左の亡国 2020s ファイナルカット』(経営科学出版)、『僕たちは戦後史を知らない』(祥伝社)、『バラバラ殺人の文明論』(PHP研究所)、『夢見られた近代』(NTT出版)、『本格保守宣言』(新潮新書)など。共著に『対論「炎上」日本のメカニズム』(文春新書)、『国家のツジツマ』( VNC)、訳書に『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき』( PHP研究所)、『コモン・センス 完全版』(同)がある。『[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき』は2020年12月、文庫版としてリニューアルされた(PHP文庫。解説=中野剛志氏)。
 2019年いらい、経営科学出版よりオンライン講座を配信。『痛快! 戦後ニッポンの正体』全3巻に続き、現在は『佐藤健志のニッポン崩壊の研究』全3巻が制作されている。

 

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  • 2018.09.15