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上司がブチ切れ!そんな時思い出したい、安住アナの“カットイン”テクニック

上司が息を吸った瞬間を狙って、言ってやれ。

■大人は賢く文字を使う

 そして、怒りの土石流が弱まってきたら、そのメモを見せて「お怒りなのは、○と△と◇の件ですよね」「わかりました。まず、○の件に関しましては、実はこのような経緯がありまして……」とやり取りをスタートさせます。

 不思議なもので、どんなに怒っている人でも、文章を前にしたやり取りになると、多少は冷静さを取り戻すものです。

 文明の知性、つまり文字によって上司の冷静さを取り戻してください。

 言葉というものは、宙を舞うホコリのように不確かなものです。

 ですから、こういう場合には特に役に立ちません。なぜなら、いくら口頭で事実関係の確認をしようと、相手にとっては〝言い訳〞にしか聞こえないからです。

 しかし、文字であれば、一緒にメモに目を落としながら状況の確認をすることができます。

「え、先方が言ってきたことなの?」

「そうなんです。メールも残っているんですけど、こういう経緯があったので

 例の対応をしたんですが、やはりまずかったでしょうか?」というように、文字を前にした事実確認を行うことで、勘違いであることを上司に伝えるようにしてください。

 ただし、いくら文章化された経緯を用意しても、相手が怒りの頂点にいるようなタイミングで伝えては意味がありません。

 とにかく、まずは相手の怒りを文章化しながら、怒りが鎮まるのを待つのです。

 その上で、「お怒り、ごもっともです、申し訳ありません。とりあえず、事の経緯を書き出してみたので、よろしければご覧いただけますでしょうか?」というように持ちかけてください。

 そこではじめて、「え、そうだったの?」「先方のミスなら仕方ないよね」「なんだ、勘違いしていたよ」という言葉を引き出すことができるのです。

 
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齋藤 孝

さいとう たかし

明治大学文学部教授。



1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学大学院教育学研究科博士を経て、現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション技法。



250万部を超えるヒットとなった『声に出して読みたい日本語』シリーズ(草思社)のほか、『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)、『大人の精神力』、『10歳までに身につけたい「座る力」』(いずれも小社刊)など著書多数。


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