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「9人FW作戦」エディーHCが勝負のシックスネーションズで奇策?

メディアの大きな注目を逆手に。仕掛けた心理戦

■9人目のFWに指名されたキーマンージャック・ノウェル

昨年の日本代表戦にも出場した、ジャック・ノウェル。サイズは小さいが体幹が安定。写真:AFP/アフロ

 そして今年、イングランドの9人目のFWに指名されているのは、ジャック・ノウェル。通常はWTBでプレーする選手だが「今回はWTBの位置からFLのプレーをさせる」という作戦を記者会見で堂々と言ってのけた。ノウェルは、WTBとしてトライを量産しながらもラックでの働きにも光るものがある。ディフェンスでのジャッカルや、アタックでの敵ジャッカルのクリアーなど、玄人好みの技術も持つ。

 日本代表を率いて実際に9人FW作戦を実行しただけに、今度は少し変化を加えた、イングランド・ウェイの9人FW作戦を実行するかもしれない。

 この記者会見にいたジャーナリスト達はこの記事を書きたて、そしてその記事を読んだ人たちの頭の中には「本当にこの作戦が実行されるのか?」という考えがよぎる。そうして、こうした記事や話題が、必ず何かしらの形で、対戦相手の心理へと入り込んでいく。

 勝負の年、2019年のシックスネーションズ。欧州の名将たちの頭の中では、既に熾烈な戦いが繰り広げられている。

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竹鼻 智

たけはな さとし

1975年東京都生まれ。明治大学経営学部卒、Nyenrode Business Universiteit(オランダ)経営学修士。2006年より英国ロンドンに在住。ITコンサルタントとジャーナリストのフリーランス二足の草鞋を履きながら活動し、「ラグビーマガジン」(ベースボールマガジン社)、「Number」(文藝春秋)、「週刊エコノミスト」(毎日新聞社)へのコラム執筆など、現地からの情報を日本へ向けて発信。BEST T!MESでは、イングランド代表HC、エディー・ジョーンズ氏の連載「プレッシャーの力」の構成を担当。


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