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【秋冬期のシワ・たるみ】を正しく恐れる|乾燥ダメージの理解と最新治療

「接近されても大丈夫」な肌を手に入れる

 秋から冬にかけて、冷たく乾燥した空気は私たちの肌へ様々な悩みをもたらす。特に顕著な症状は「シワ」と「たるみ」だろう。「マイナス5歳肌」実現の最大の障壁でもある「シワ・たるみ」の原因や治療法、そして予防について、美容皮膚科専門医師である北山英美子先生(以下「北山先生」と記載)に話を聞いた。


シワ

■本当に怖い、お肌の乾燥リスク

 鏡に映った自分の顔をじっくり眺めてみると、以前はなかったはずのシワに気がつく。それに、なんだか肌がたるんできたような気がする。
 この時期、紫外線によるシミやニキビなどのように一目でわかる変化ではなく、一見気がつきにくいが深刻な肌のトラブルを抱える人が増えている。

「肌の『乾燥』を原因とした、シワやたるみに悩む患者さんが増えています」

 そう話してくれたのは東京・大阪に6院を展開する「フェミークリニック」の総院長でもある北山先生。私たちが思っている以上に、乾燥が肌へ与える影響は大きいという。

「肌の潤いがなくなれば小ジワができやすくなり、放っておくと深いシワになってしまいます。また、水分量が維持できないために弾力が失われ、たるみの原因にもなりえます」

 シワやたるみが発生するメカニズムにおいては、加齢だけではなく、乾燥という外的要因が存在する。肌の乾燥が、質感の変化やメイク映えといった『見た目』以上のダメージをもたらすことは知っておきたい。
 また、北山先生によれば、既にできてしまったシワをスキンケアで治すことは難しいのだとか。世の中には様々な効果を謳った美容商品や、玉石混交の美容情報が溢れているが、自分のコンディションや症状に合わせた適切な選択を誤れば、症状の改善どころか悪化させてしまう場合もあるという。くれぐれも曖昧な自己判断は避けたいところだ。

 キレイな肌を手に入れるために必要なのは正しい知識に基づいた適切なケアと治療である。逆にいえば、それによって諦めていたシワやたるみを改善することができる時代だとも言える。

ヒアルロン酸
シワやたるみには、メスを使わない注入療法が中心

■「ヒアルロン酸・ボトックス」治療の違いと効果

 本記事をご覧になっている方であれば、シワやたるみの改善には「ヒアルロン酸」と「ボトックス」による治療が一般的であることは周知の通りだと思う。しかし、この2つは全く異なるもの。原因や種類によっても使い分けられていることはご存知だろうか。

「ヒアルロン酸は主に加齢を原因としたシワやたるみ、ほうれい線や目元のくぼみなどに有効です。加齢によって骨が小さくなった部分に注入してボリュームアップすることで、若返った印象に変わります」

 ちなみに、ヒアルロン酸は顔以外の部位にも効果がある。例えば、一般的に年齢が出やすい部位と言われる手元や首にも適しているという。特に、コロナ禍によって手洗いや消毒が増えたため、例年以上に乾燥しがちな手元であれば、顔への注入に抵抗がある方にとってもハードルは下がるのではないだろうか。

 続いて、ボトックスについても聞いた。

「目尻や眉間など、筋肉の動きによって『クセ』になったシワやたるみには、ボトックスが適しています。タンパク質を注入することで筋肉の動きを抑制し、症状を改善する手法です。ただし、誤った量や部位への注入をしてしまうと表情に違和感が出るリスク等もあるため、クリニックの選択は慎重に行ってください」

 ボトックスのメリットとしては、クセ付けを早期に行うことでシワの予防にもなることが挙げられる。検討している方は上記のリスクを踏まえ、実績のあるクリニックでしっかりとカウンセリングをしてから施術を行うことを強く勧めたい。

■知っておきたい注意点と最新治療

 ヒアルロン酸、ボトックスともにメスを使用せずに気軽に行える治療法であるが、ナチュラルな仕上がりのためにも、その分量や部位には注意が必要だ。そして、一定期間で体内に吸収されることも理解しておきたい。目安としてヒアルロン酸は約1年、ボトックスは4ヶ月程度だと考えておけばよいだろう。
 また、これらの注入治療とは別に、最先端のピーリングである「コラーゲンピール」も、肌にハリ・ツヤを出す効果がある。北山先生によれば、これはこれまでのケミカルピーリングとは異なり、真皮にまで効果が及ぶとのこと。

 このように今は「シワ・たるみ」を改善できる手法が揃っている。そして、一人で悩み続けていてもシワは消えない。肌への自信を取り戻したいならば、正しい理解の上で「治療」も検討してみてはいかがだろうか。

乾燥肌
話を伺った「フェミークリニック」総院長・北山英美子先生

 

■乾燥するこれからの時期でもキレイを維持する

 乾燥のリスク、そしてシワ・たるみの治療法についてご理解いただけたかと思う。では、乾燥が進むこれからの時期に私たちは何を考え、どう行動したらよいのだろう。

「美容には治療とホームケア、その両方が必要です」

 どんなに医療、科学が発達したとしても、クリニックでの治療のみでは安定した理想の肌を維持することはできない。だからこそ、北山先生は治療を通じて、ケアの大切さを伝える。場合によっては患者の生活習慣についてまでアドバイスをすることもあるという。

「症状が改善し、自分に合ったホームケアが習慣になれば、お肌のトラブルは自然と軽減されていきます。治療をきっかけに『キレイ』と『健康的な生活』を手に入れていただけたら嬉しいです」

 治療はいわば対処療法、根本的な美容の課題解決には、自身の意識改革が重要だ。
 ところで、美容のプロフェッショナルである北山先生はこの時期、どのような乾燥対策をしているのだろうか。読者へのアドバイスも兼ねて、最後に聞いてみた。

「何よりも保湿が大切です。化粧水の後は、乳液やクリームなどの油分でしっかりと蓋をする。吸収率が高いお風呂上がりには、すぐにケアをする。こういった当たり前のことをしっかり行ってください。私は、夜と同じくらい朝の保湿を重要視しています。あとは日中でも、乾燥が気になった時には乳液や美容液を塗るようにしてみてください」

 北山先生が実践するプロの美容ルーティンも含めた乾燥対策をしっかり行うことで肌を守る。そして、存在するシワやたるみには適切な治療を施すことで、自信を持てる肌を手に入れてほしい。
 余談だが、今はダウンタイム期をマスクで隠せることもあってか、シワやたるみの治療を行う患者が増えているという。肌の大敵である紫外線も落ち着くこれからの時期は、治療にも最適なシーズンと言えそうだ。
 

 

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北山 英美子

きたやまえみこ

「フェミークリニック」総院長兼新宿院院長

■平成11年3月 東邦大学医学部卒業
■平成11年5月 東邦大学形成外科 入局
■平成11年5月 日本形成外科学会 所属
■平成15年5月 日本美容外科学会 所属
■平成15年5月 渋谷フェミークリニック 院長就任
■平成16年11月 日本皮膚科学会 所属
■平成18年2月 フェミークリニック 総院長就任
■令和元年8月 新宿フェミークリニック 院長兼任 

現在に至る。

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