■30年間かけて築き上げた資産は、お金より信用

 純粋に金儲けという観点から見ると、30年間の預金はムダであったともいえる。
 昭和26年にこの預金をはじめたころ、東京・荻窪の土地が1坪1000円だった。5万円で50坪の土地が買えた。ところが、今日では坪当たり250万円はする。30年間かかった貯えた1億2400万円で買えるのも、また50坪である。

 だから、本当の金儲けという点から考えると、毎月貯金をするのではなく、毎月、その金で土地を買っていたら、すごい資産家になったはずである。30年間あなたはなにをしてきたか、といわれても、ひとこともない。

 ただ、克己心を養うことができた、ということは、負けおしみではないが、金にはかえられない問題である。

 

 信用もつけることができた。これも金にはかえられないものである。30年間につちかった信用は、土地を買いつづけてつくったはずの資産にけっして劣らない大きなものである。

 私は30年かけて、その大きな信用をつくったのである。
 現代はスピード時代だといわれる。しかし、時間をかける、という発想もまた、若い人にはとくに大切にしてほしいと思う。

『Den Fujitaの商法③』より構成)