■誕生日は公休日にしてやれ

 私は、社員の誕生日はその人の公休日にしている。つまり、社員は、自分の誕生日には、会社に気がねをすることなく、堂々と休んで、家族と誕生祝いができるのである。

 誕生日は社員にとって、自分の祭日であり、安息日でもある。

 そうやって、自分の誕生日を家族と心ゆくまで祝って、英気を養い、翌日からの新しい戦いに備えてもらいたいと思う。

 また、私は正月には全社員にお年玉を出す。

 元日に顔を合わせて「新年おめでとう」といっても、ただ「おめでとう」というのでは意味がない。

 お年玉が出る。少額ではあっても、お年玉が出ると、新年になって、おめでたいなァ、という実感がわく。
 心から「新年おめでとう」といい、新しい気持ちで一年を働くはずみをつける役に立てば、と思って、私はお年玉を出す。
 ほかにも5月5日の端午の節句には、男子社員にお祝い金を出す。

 男子社員にだけ出してはまずいので、3月3日の桃の節句には、女子社員と社員の奥さんに、お祝金を出す。

 そうやって、私は会社の人の和を大切にしていっている。

 そして、私は、社員の奥さんの誕生日には花束を贈るが、社員の誕生日には、5千円をプレゼントすることにしている。

 子供のいる社員には、桃の節句には女の子を持っている者に5000円、男の子のいる社員には端午の節句に5000円をプレゼントしている。

 あまりほしくない品物をもらうよりは、5000円のほうを人間は喜ぶものだ。私は同じ値段の品物ならば、5000円の現金の方が価値がある、と思う。
 品物には使い道はないが、5000円はどんな使い方でもできる。そこに、五千円の現金の価値がある。

 奥さんの誕生日に花束を贈り、社員の誕生日や節句に5000円をプレゼントすると、浪花節だという人がいる。

 私は浪花節でくすぐることも、日本人がそれを期待しているのだから、やるべきだと思う。

 私のことをみんなは、あの社長はガリガリの合理主義者だ、と思っている。そこで、私は、まるで正反対の浪花節でいくのだ。

 浪花節は日本ではもっとも効果的な人心収攬術で、藤田はそれを利用しているだけ、と悪口をいう人もいるが、相手が喜べばいい、と私は思う。

『金持ちだけが持つ超発想』より)