■諸病平癒。医薬の神様へ詣る

|和漢の医薬神を祀る総合病院的神社

 いくらお金があっても健康がなければ、というお方も多いであろう。そこで今回はさまざまな健康の願いに応じてくれる寺社をご紹介したい。

 まずはどのような病気・ケガにも対応してくれる、総合病院のような寺社からご説明しよう。

薬種問屋の信仰を集めた少名彦神社

 その一つは、「日本医薬総鎮守 病気平癒・健康成就の社」と呼ばれる少彦名神社(すくなひこなじんじゃ)である。

 この神社のご祭神・少彦名命(すくなひこなのみこと)は大国主神の国造りを助けながら人々に医薬を広めた神とされる。さらに、ここには百種の植物を自らなめて効能を確かめたという中国医薬の祖神・神農炎帝(しんのうえんてい)も祀られている。つまり、少彦名神社は和漢の医薬神を祀る神社なのである。

 少彦名神社が鎮座する大阪市中央区の道修町(どしょうまち)は、秀吉の頃から江戸時代にかけて薬を扱う商店・問屋が軒を並べていたところ。薬種業者の守り神として少彦名神社は安永9年(1780)に創建された。すなわち、医薬のプロが崇めた医薬の神様というわけだ。

|病魔・疫病を払い去ってくれる神社

病魔を払ってくれる大神神社の摂社・狭井神社

 

 少彦名神社が医薬の力で病気やケガを治してくれる神社であるのに対し、奈良県桜井市の大神神社(おおみわじんじゃ)摂社の狭井神社は病魔を払い去ってくれる神社である。

 毎年4月18日に行われる鎮花祭(はなしずめのまつり)は疫病をまきちらす疫神を鎮める祭で、8世紀以前から続くものだ。多くの医療関係者が参列し、医薬品が奉納されることから「薬まつり」とも呼ばれる。また、境内の井戸から湧く水は昔から「薬水」といわれ、諸病に効くと伝えられる。

 仏教では薬師如来が諸病を癒やしてくれるという。体の病だけではなく、心の病(悪いことを思う心の病も含め)治してくれるので心強い。各地の薬師寺のほか、京都や東京には蛸薬師というイボやアザに霊験があるとされる寺院もある。

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