2019年、最も大きな話題のひとつ、新天皇の即位について、皇室研究の第一人者であり『象徴天皇「高齢譲位」の真相』の著者である所功先生が解説します。〈3日連続配信の2日め〉

■資金の工面が大変だった!?平成の大礼

 2019年4月30日、現在の天皇が退位され、5月1日に新天皇が即位します。さらに10月22日に即位の礼、五穀豊穣を祈る大嘗祭が11月14日、15日が予定されています。

 この皇位継承に不可欠な大礼の具体的な在り方については、今もさまざま
な観点から検討されていますが、ここでは平成2年11月の即位礼と大嘗祭を
振り返りながら、準備と実施の大筋を仮に描いてみようと思います。

 即位礼も大嘗祭も、実にさまざまな物(用具・衣服・供物・設備など)と、それを作り扱えるさまざまな人(超一流の技能者など)と、それに伴う相当な金(直接・間接の費用)などを必要とします。平成の初めには、60余年ぶりの大礼でしたから、物と人の確保に非常な苦労があり、それと共に金の工面も大変に苦心があったようです。

 

 とりわけ、両方の位置づけと費用について検討するため、すでに諒闇中の平成元年9月から、政府に「即位の礼準備委員会」、また宮内庁に「大礼準備委員会」が設けられ、ついで11月に有識者から参考意見を徴しています。

 その上で12月に、即位礼は「国の儀式」として、内閣費から関係費用約33億8500万円、また大嘗祭は「皇室の公的行事」として、宮廷費から関係費用約25億6800万円(他に外来賓客応接費と都内特別警備費の合計約21億5300万)など、総計81億円余の予算を組んでいます。

 これによって、諒闇明けの翌2年(1990)1月中旬から本格的に諸準備が進
められ、その11月に両方とも見事に遂行されました。

 この平成大礼が日本国憲法のもとで、政府・国会および国民多数の賛同を得て実施されたことにより、今後の大礼はそれを直近の先例として大筋踏襲することが可能になった意義が極めて大きいと思われます。

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