2019年4月30日に現在の天皇が退位、5月1日に新天皇が即位します。予定では10月22日に即位の礼、五穀豊穣を祈る大嘗祭が11月14日、15日に行われるようです。2019年の最も大きな話題のひとつ、新天皇の即位について、皇室研究の第一人者であり『象徴天皇「高齢譲位」の真相』の著者である所功先生に解説していただきます。〈3日連続配信の1日め〉

■盛大な「即位の礼」と神道儀式の「大嘗祭」

 新天皇の代始に行われる儀式について、明治以来の旧皇室典範の第二章「践祚即位」には次のように定めていました。

第十条 天皇崩ずるときは、皇嗣即ち践祚し、祖宗の神器を承く。
第十一条 即位の礼及び大嘗祭は、京都に於てこれを行ふ。
第十二条 践祚の後、元号を建て一世の間に再び改めざること、明治元年の定制に従ふ。

 従って、大正天皇も昭和天皇も、父帝崩御の直後、深い悲しみのうちに「祖宗の神器」を承け継ぐため、「剣璽渡御(けんじとぎょ)の儀」に臨み、それで実質的に皇太子から新天皇となられたことになります(法的には先帝崩御と同時に新帝誕生)。

 

 その新天皇が最初になすべき公務は、元号を建てるように枢密院へ諮問され、そこで決議した新元号案を勅定の上、詔書により公布されることです。そうして直ちに決められた「大正」と「昭和」の元号は、改元当日から施行されています

 ついで1年間の諒闇(りょうあん・服喪)明けから準備を進めた「即位の礼」と「大嘗祭(あわせて大礼という)」が、大正天皇の場合も昭和天皇の場合も、京都において行われました。

 ただ、前者は大正3年(1914)秋に予定されていましたが、同年4月11日、昭憲皇太后の崩御によって1年延期され、翌4年11月10日に京都御所の紫宸殿で「即位礼」、同14日夜から翌未明にその東南の仙洞御所跡地で「大嘗祭」が実施されています。

 ついで後者は、昭和3年(1928)の11月10日と同14日、大正大礼と同じ場所で執り行われました。しかし、戦後の新典範では、次のように定められているにすぎません。

第二十四条 皇位の継承があったときは、即位の礼を行う。