■あの「東京タワー」も、公募では「昭和塔」が1位だった!

 2020年に暫定開業予定の「高輪ゲートウェイ駅」。品川駅と田町駅の間に位置し、JR山手線においては、1971年開業の西日暮里駅以来、約50年ぶりの新駅誕生となる。これに伴い周辺の再開発が進み、駅舎を新国立競技場の設計を手掛ける建築家の隈研吾氏が担うなど、注目度が高いニュースといえるだろう。

 新たな駅の誕生は歓迎されると思いきや、その名前に反対する意見も噴出している。高輪という地名こそついているものの、「ゲートウェイ」が付くことによってわかりにくいという声や、「ダサい」「センスがない」というストレートな意見も見受けられた。コラムニストの能町みね子さんが署名サイト「change.org」でJR東日本に対し、「山手線の新駅の名称『高輪ゲートウェイ』を撤回してほしい」と呼び掛けていることも話題だ。

 ネーミングに対する意見はさまざまだが、反対派の主張には「公募の意味がない」という意見が目立つ。JR東日本が駅名を募ったところ、1位「高輪」、2位「芝浦」、3位「芝浜」という結果であった。正式採用された高輪ゲートウェイは130位。票数は36であり、1位の高輪が獲得した8000超の票数と大きな開きがある。

 

 市民の声に反した結果に異論が唱えられているが、こうした事例は過去にもあった。それは9月に電波塔としての役目を終えた「東京タワー」だ。東京スカイツリーが完成してからも東京名所としての存在感があり、クリスマスシーズンのこの時期は、ライトアップを鑑賞するカップルで賑わっている。

 東京タワーの開業は1958年12月23日。正式名称は日本電波塔だが、開業前には愛称ともいえる名称が公募された。このときに最も多く選ばれた名称は「昭和塔」で約1800票を獲得している。2位「日本塔」(約1300)、3位「平和塔」(約1000)と続き、トップ3はすべて1000票以上を獲得した。

 一方の東京タワーといえば約200票にとどまり、ベスト10にも入っていないのだ。9位に「東京塔」が約350票を獲得してランクインしているが、2つの票数を合計しても1000には程遠い。審査員の徳川夢声による推薦もあって、東京タワーという名称が決定したと伝えられている。

 公募による結果は振るわなかったが、現在では東京のシンボルとして注目される存在だ。高輪ゲートウェイ駅も、開業後にはその名の評価が変わるかもしれない。開業まであと1年強だが、署名により新名称がつけられるのか。それとも現状維持となり、この名称が愛される日が来るのか。