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父と共に西南戦争を戦い最後は叔父・従道に投降した、西郷どんと愛佳那の子

歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第51回 ~西郷菊次郎~

知性30%!(印綬)

 知性は何かを学ぶことが好きで、物事を論理的に捉えるのが得意。中でも「印綬(いんじゅ)」は学校の勉強がよくでき、幅広い知識を持っている。優しく、人に教えるのが好きな星でもある。

〇人脈30%!(偏財)

 人脈は、気遣いができて誰とでもコミュニケーションが取れる星。また、お金の星でもあり、お金に縁がある。中でも「偏財(へんざい)」は、誰に対しても優しく、ピンからキリまで幅広い人脈を持つ。お人よしで断れない性格のため、騙されやすい面もある。恋愛運の星でもあり女性にモテる。

 菊次郎が台湾の基隆(きいるん)や宜蘭(ぎらん)の支庁長を務めていた当時、台湾では匪賊(ひぞく)がのさばり、アヘンが蔓延して荒廃しており、台湾の人々の心をつかむのに苦労したという。そんな中、菊次郎は、農業や産業の奨励、土木工事等様々な功績を残した。特に有名なのが、河川工事。宜蘭市を流れる宜蘭川は、しょっちゅう氾濫し、住民の生活をおびやかしていた。そこで菊次郎は、巨額を投じて17ヶ月かけ、川に堤防を築いた。 1.7キロにおよぶ宜蘭川堤防は、現在も「西郷堤防」と呼ばれ、傍らにはその業績を称える石碑も残されているという。

「偏財」を持っていることからも、人当たりがよく、コミュニケーション能力が高かったのだろう。菊次郎は地元の人々に相当愛されていたようで、宜蘭市にある「宜蘭設治紀念館」には、今も菊次郎のゆかりの品が展示されている。

 続いて、十二運星を見て、持って生まれたエネルギーを見ていく。

〇胎(たい):運勢エネルギー3

 好奇心旺盛で様々なことに興味を持つが、飽きっぽい。新規開拓が得意で、新しいことに挑戦するのが好き。

 台湾の事業ももちろんだが、新しいことに挑戦するのが得意なのだろう。京都の近代化にも大きく貢献した。菊次郎は台湾から戻った後、1904(明治37)年に第2代目の京都市長に就任している。京都は明治維新により都の地位を失い,人口が3分の2に激減する深刻な事態に陥っていた。菊次郎が京都市長に就任した当時は、旧市街の道路が狭く、上水道や下水道もなかったため、飲料水が汚染し伝染病が流行する等、課題が山積していた。京都は、近世以来、三大都市の一つだったが、その地位からの没落の危機を迎えていた。

 そうした中、満を持して京都市長に就任したのが菊次郎。菊次郎は、三大事業を構想した。①第二琵琶湖疏水を作り、大量の水と電力を得ること、②上水道を設置し市の衛生状態を改善すること、③主要な7つの道路を拡大することである。そこに市電を走らせ,電気事業を市で経営する構想もあった。さらにこれらの三大事業を通して、街灯をランプから電灯へ一変する計画も行った。

菊次郎が2代目京都市長として手がけた琵琶湖疎水。

 そして、菊次郎が三大事業を提案してから約6年後の1912(明治45)年6月、三大事業竣工の祝賀式典が執り行われ、菊次郎の思い描いた構想が現実のものとなった。これにより拡築された幹線道路(東西の今出川通・丸太町通・四条通・七条通,南北の東山通・烏丸通・千本通・大宮通)に市電が走り、電灯が普及することとなった。

〇絶(ぜつ):運勢エネルギー1

 運勢エネルギーが「1」であり、十二運星の中で最も低い。輪廻転生で言うと「あの世」の意味を持つ不安定な星。常に精神的孤独を感じており、人から裏切られる経験も多い。しかし、一方で天才肌でもあり、尋常でない才能を発揮できる可能性もある。芸能人等で持っている人が多く「絶」を持っている人は普通の生活は向かない。

 この星は、父・隆盛も持っていたこの星。「あの世」の意味をもつ星ということだけあり、精神欲を求めていたのかもしれない。西南戦争の折には、隆盛とともに死を覚悟した菊次郎。父・隆盛も2度自殺を図り、西南戦争で自刃しているが、菊次郎も父に似て何かのために命をかけるような精神性を持っていたのかもしれない。隆盛に似た雰囲気を感じる。

〇建禄(けんろく):運勢エネルギー11

 王子様の星。王様の星=帝旺(ていおう)、女王様の星=冠帯(かんたい)と並び、「身強の星」の1つであり、エネルギーが強く、経営者等に向いている。目標を掲げ、休みなく前進する努力の星。

 通変星では自立心の星が40%と高かったが、それと合わせて「建禄(けんろく)」を持っていることで、人をまとめるのが得意な経営者タイプだったことが予測される。先に紹介した、菊次郎が行った京都市政の三大事業は、当時の京都市の市税収入の34倍に値する巨大事業だったが、外国債を発行してでもやり遂げる方針を示した。多額の事業に反対する市民も多かったが、菊次郎の強い思いは、まず技術者の協力を得た。当時、新事業には外国人技術者の支援を受けることが一般的であったが、琵琶湖疏水の事業は、すべて日本人の手により工事を行い、レンガなどの多くの工事用資材を自給自足で賄うなど、創意工夫により課題を乗り越えて行った。人をまとめるリーダーシップはもちろん、一度目標を定めたら、あらゆる手を使ってそれを達成しようとする、強い信念を持っていたのだろう。

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妃萃(本名:油川さゆり)

ひすい

青森県八戸市出身。慶應義塾大学 社会学研究科 教育学専攻 修士課程修了、同研究科 同専攻 後期博士課程在学中。2013年鳥海流・鳥海伯萃より四柱推命の指南を受ける。これまで500人以上を鑑定。多数の弟子を輩出。

元放送局報道記者。フリーアナウンサーとして、BS11の番組にレギュラー出演しているほか、ナレーターや司会として活動中。日本の歴史、伝統芸能を伝えるため、歴史勉強会、その他イベントを主宰。自身も大和言葉、辞世の句、武田氏と油川氏等について講演活動を行う。合同会社真己、共同代表。また、2016年6月から「カミムスヒ」というソングユニットで歌手活動を開始。手話検定3級、ホームヘルパー、視覚障害者ガイドヘルパーの資格を持ち、社会福祉活動に積極的に携わる。


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