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教員がじわじわ低年齢化。そこから透ける、教育現場の疲弊

知ったかぶりでは許されない「学校のリアル」 第15回

■「子どものほうを向いた教育」からはどんどん遠く

 そして、若手に無理な役職を担わせる傾向は強まるばかりとなる。ただでさえ多忙なのにくわえて、重圧感は増すばかりとなるはずだ。

 

「子どもたち一人ひとりと向き合い、創意工夫のある授業をしてもらいたくても、こんな環境で言うのは酷ですよね。教育委員会としても頭の痛い問題です」

 と、先ほどの教育委員会関係者は言った。この自治体だけの問題ではない。教員の平均年齢が下降しているのが全国的な傾向なのだから、全国的な問題である。教員の数を増やすどころか減らそうとする圧力が財務省をはじめ強まっているなかでは、ますます「酷」な環境はひどくなっていくばかりだろう。「子どものほうを向いた教育」からは、どんどん遠ざかっていく。深刻な問題である。

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前屋 毅

まえや つよし

フリージャーナリスト。1954年、鹿児島県生まれ。法政大学卒業。『週刊ポスト』記者などを経てフリーに。教育問題と経済問題をテーマにしている。最新刊は『ほんとうの教育をとりもどす』(共栄書房)、『ブラック化する学校』(青春新書)、その他に『学校が学習塾にのみこまれる日』『シェア神話の崩壊』『グローバルスタンダードという妖怪』『日本の小さな大企業』などがある。


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