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「風疹」にご注意。予防する方法はたったのひとつ!

別名「三日ばしか」。勝手に治ることもあるが…

■風疹、またの名を「三日ばしか」

 
 

 今年の風疹の累積患者数が近く5年ぶりに2千人を超える見通しとなり、首都圏中心の流行が全国に広がり始めています。来年以降も増え続ける恐れもあり、訪日客の減少など、東京五輪・パラリンピックに影響が出かねないとの見方も出ています。これは30代以降の男性にワクチン接種を受けていない人が多いのが原因でしょう。

 あと、麻疹の流行も止まりません。麻疹は2015年に国内での排除宣言が出されましたが海外からの輸入により、再び感染が流行しました。2018年3月から沖縄県を中心にたくさんの患者が発生しました(WHO | Measles ? Japan [Internet]. WHO. [cited 2018 Aug 23]. Available from:http://www.who.int/csr/don/20-june-2018-measles-japan/en/

 風疹は別名「三日ばしか」と呼ばれます。英語では「ドイツの麻疹(German measles)」とも呼ばれます。麻疹と風疹は“熱がでたり”“からだにブツブツがでる”といった割と似たような症状があるのです。どっちかというと風疹のほうが症状が軽いので「三日ばしか」というわけ。

 風疹にしても“麻疹にしても熱が出てぶつぶつが出て”しんどい病気なんですが特別な治療薬はありません。よって、自然に治るまで待つしかありません。

 で、たいていの人は自然に治ってしまいます、ちょっと年が上の人は、自然に去りゆく災難を「はしかにかかったようなもの」と例えました。はしかとは麻疹のことです。

 では、勝手に治る病気だから看過していてもよいのでしょうか。いや、よくないです。

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岩田 健太郎

いわた けんたろう

1971年、島根県生まれ。神戸大学大学院医学研究科・微生物感染症学講座感染治療学分野教授。神戸大学都市安全研究センター教授。NYで炭疽菌テロ、北京でSARS流行時の臨床を経験。日本では亀田総合病院(千葉県)で、感染症内科部長、同総合診療・感染症科部長を歴任。著書に『予防接種は「効く」のか?』『1秒もムダに生きない』(ともに光文社新書)、『「患者様」が医療を壊す』(新潮選書)、『主体性は数えられるか』(筑摩選書)など多数。


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