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(^_^)←この顔文字が最初に使われたのはいつ?

絵文字進化論第3回

■1881年、紙の雑誌に顔文字が登場していた!

 では、デジタル時代以前はどうだったのでしょう。実は、それより100年前には文字や記号を組み合わせて顔に見立てる発想がありました。例えば、1881年の『Puck』という米国の風刺雑誌ではすでに顔文字が提案されています。

写真を拡大 図3 『Puck』1881年5月31日号、p. 65

「タイポグラフィカル アート(印刷美術)」というタイトルの記事で、「この雑誌の印刷部は、活字記号だけを使って、芸術家や漫画家に負けないぐらい、あらゆる表情が表現できるぞ」と、4つの感情を表す顔文字が紹介されています。

 左から「喜び(Joy)」、「憂鬱(Melancholy)」、「無関心(Indifference)」と「驚き(Astonishment)」です。3番目の「無関心(Indifference)」はちょっと分かりにくいですが、残りの3つはよく出来ていますね。括弧や点を組み合わせて作っている、という点で現代の顔文字と一緒です。

 もう1つ面白い例があります。ロシア生まれの有名な小説家、ウラジミル・ナボコフが1969年のインタビューで、こう発言していたのです。

“I often think there should exist a special typographical sign for a smile; some sort of concave mark, a supine round bracket”

 ナボコフは「横にした丸括弧のような、何かスマイルを表す活字記号があればいいのに」と言っていますが、まさに顔文字に丸括弧が使われることを予言していたかのようですね。
(出典:http://nabokov-lit.ru/nabokov/intervyu/intervyu-uitmenu-1969.htm)

 その他にも、17世紀のイギリスの詩人ロバート・へリックのポエムにこんな顔文字→ :) が発見されたり、1862年のリンカーン大統領のスピーチの写しに ;) (ウィンクの顔文字)が見つかったりするなど、いろいろな顔文字の痕跡があります。が、これらが本当にスマイルを表しているのか、単なる誤記なのかは判断が難しいところです。

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シャルコ・アンナ

1988年生まれ。ロシア、シベリア地方出身。地元の大学で日本語を勉強し始めたことをきっかけに、日本の文字文化に魅了され、国費留学生として来日。2012年に早稲田大学の大学院に入学して、笹原宏之教授の元で日本語の文字・表記について研究を続けてきた。ポルトガル人と国際結婚して、1歳の息子を子育て中。現在はイギリスに在住。


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