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動物を「愛おしむ」ことと「食べる」こと。その間にあるもの

冒険家の春間豪太郎、人気野宿家のカメ五郎が待望の対談!【第2回】

■トリカブトをかじる?

春間 鹿の肉なども1週間ぐらいそのまま高温多湿の中に置いておく。そのうちウジ虫が湧いてきたりするのですが、彼らはそのまま焼いて食べるんです。僕も食べましたが、なんとも言えない……さすがに全身に悪寒が広がりました。

カメ 僕もさすがにウジが湧くまで肉を放置することはないです。

春間 いや、カメ五郎さんが実践された「ムカデの躍り食い」のほうが、まずさでいえば上じゃないですか。

カメ カプセル入りの薬品みたいな味でした(笑)。

春間 僕は、全く情報の無い世界に挑戦することが冒険だと思っているので、僕の基準ではカメ五郎さんは冒険家だと言えますね。去年とか、トリカブトをかじっていましたよね(笑)。

カメ トリカブトをかじったらどうなるかと、見せたほうが早いだろうと。人は情報だけは持ってるのですが、そこで止まる人がほとんどですよね。ネット社会になって、知識だけでマウントかける人もいますから。

 

春間 だからといってトリカブトをかじらなくても(笑)。実際にカメ五郎さんの映像を見て実践する人っていますか。

カメ ツイッターなんかで、罠猟で鹿をしとめたと、写真を送ってくれる人もいました。でも多くは、動物を解体することを批判する人に、僕の映像は届きやすいみたいです。

春間 カメ五郎さんの映像を見ると、僕もトライしたいと思いますよ。

カメ 自分でもできるかも、と思わせたい気持ちはどこかにありますね。でも、血はNGじゃないですか。テレビではカットされちゃうんですよ。でも、肉になるまでをちゃんと見せたいと思います。じつは動物が好きでないと腹は割けないんですよ。今はYouTubeなどの動画投稿で広告がつくこともありますが、僕の映像はグロテスクだということで、あまり広告報酬の対象になりません。消されないだけマシかなって。

■旅の相棒との別れ方

--春間さんは動物と別れるときに、野生に戻すのか、人に飼ってもらうのか、行く末をとても心配しておられますよね。

春間 海外だと動物の命がほんとに軽いんで、ニワトリなんかを手放すとすぐに肉にされてしまいます。じつはロバも引き取ってくれると言う人がいたのですが、労働に回されると考えるとやっぱり自然に返すほうがいいのかなと、そのあたりはすごく悩みました。

カメ 春間さんの、ロバを手放すときの行動はあれでよかったんだと思いますよ。日本で野に放つのはさすがに無理ですけどね(笑)。

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春間豪太郎×カメ五郎

はるまごうたろう×かめごろう

●春間 豪太郎



1990年生まれ。冒険家。



5chでのスレッド「行商人やキャラバンに憧れたからモロッコでロバと一緒に放浪の旅を始めたバカだけど」などが話題となり、まとめ掲示板で首位の人気となる。



主に発展途上国で動物と共に歩くスタイルの冒険を行っている。



行方不明になった友達を探しにフィリピンへ行ったことが、海外や冒険に興味を持つ最初のきっかけになる。



大学を休学して行った海外ではスラム街に入り浸り、ヒッチハイクや野宿などを繰り返して危機管理能力を高める。国内では歌舞伎町や難波、祇園で客引き系の仕事をして交渉スキルを磨く。



護身用に、師と仰ぐ人物からキックボクシングを教わる。また、フィリピンのナイフ術も身に付ける。国内外の様々な場所へ赴き、これからも動物たちと世界を冒険していく予定。



ツィッターアカウント:@go_haruma



 



●カメ五郎



1988年生まれ。サバイバル愛好家。野宿家。



2010年から「多摩川自給自足生活」をはじめとするサバイバル生活の模様をニコニコ動画にアップし、注目を集める。大型哺乳類に加え、比較的解体法が確立されておらず、資料も少ない爬虫類などの屠殺技術も有する。昆虫食などの衝撃的な食生活も話題に。アウトドア雑誌『Fielder(フィールダー)』の看板連載「サバイバリスト・カメ五郎の自給自足失敗談」では豊富な動植物の知識を披露し、アウトドアファンから熱狂的な人気を得ている。


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  • 春間 豪太郎
  • 2018.03.20