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「わざわざ感」を大事にするようになった今どきの若者

バブルを抱きしめて②

■「わざわざ感」

――島村さんの本を読んでいてひとつ面白いなと思ったのが「わざわざ感」という言葉なんですよ。若い人たちが便利なことやモノをあえて避けてわざわざ面倒な方を選ぶという。超高性能なデジタルカメラがあるのにわざわざフィルムのカメラを使うとか、音楽もデジタルじゃなくてあえてレコードで聴くとか、最近ではカセットテープが復活してるらしいですし、個室ではなく、あえて長屋だとかシェアハウスに住むとか。昭和にもレトロブームはありましたけど、趣きがちょっと違ってますよね。

 

島村 それこそベタな解釈をすれば、便利になりすぎた世の中に対する反動なんでしょうね。本にも書きましたけど、例えばデートで待ち合わせをするとなったら、それこそ場所と時間を間違えることは絶対にあってはならないこと。死活問題でしょ。

 だから私は待ち合わせとなったら「紀伊國屋書店梅田店新潮文庫三島由紀夫前」と決めてましたから。これなら多少待たされたとしても棚にある本読んで過ごせますから。

 けど、これがあんまり売れてない作家のコーナーだとダメなんです。狭すぎて。だから星新一でもよかったんですけど、私は三島由紀夫。

 でも、いまの待ち合わせってものすごくアバウトでしょ。「渋谷にだいたい3時くらい」で会えるんだから。スマホのおかげで。すれ違うこととかほとんどありえない。途中で事故に遭ったとか、急用ができたとか、なんかのトラブルで会えなかったらどうしようというドキドキ感はゼロでしょ。

 そのための駅の改札口の伝言板なんだけど、平成生まれに話しても知らないですからね。

「平成になじめなかった女」島村洋子さん

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バブルを抱きしめて
  • 島村洋子
  • 2018.05.19