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昔の姿に生まれ変わる!? 進化を続ける日本橋エリア

オリンピックに向けて進化する「日本橋」

◆さらなる発展を遂げている日本橋

 東京・日本橋は、今も昔も日本の中心といえるエリア。江戸幕府が開かれた1603年に木造の太鼓橋が完成し、翌年には五街道(東海道・甲州街道・奥州街道・日光街道・中山道)の起点に定められた。
 その象徴ともいえる橋としての「日本橋」は、明治時代には、木造から石造へと架け替えられた。橋の上には、獅子や羽のついた麒麟などの像が並ぶ。その数は32個で、橋(8×4)にかけているのだとか。粋な言葉遊びが江戸っ子らしい。

写真:photolibrary

 日本橋は、歌川広重や葛飾北斎などの絵師たちによって描かれた。そのなかには富士山が見えるものも多いが、現在は頭上を高速道路が走り、ビルが立ち並んでいるので、橋の上から富士山を見ることは難しい。
 橋が誕生した当時は魚市場もあり、現在の風景とは大きく異なるが、近年はかつての姿を取り戻そうとする動きも見られるようになった。そのひとつが、高速道路の地中化だ。景観を取り戻すという狙いがあり、2020年に開催予定の東京オリンピック・パラリンピック後に着工するプランが浮上している。

 水の都としての日本橋を復活させる動きもある。2011年には、橋のたもとに船着場が完成。隅田川や神田川、東京湾までクルーズするプランはもちろん、古地図とともにクルージングを楽しんだり、船上でWi-Fiに接続できるなど、さまざまなニーズに対応している。
 2017年には、観光案内所も誕生。オリンピック開催に向けて、観光客を迎え入れる準備が着々と進んでいるようだ。

 

 商業施設やオフィスビルが並ぶ日本橋には国内外から人が集まるが、近くの銀座と比べると観光客の数は少なく感じる。しかし、こうした取り組みのほか、古地図ブームの影響もあって、散策する人が増えているようだ。
 また、かつては魚市場があった名残もあって、日本橋界隈には江戸から続く老舗料理店が少なくない。古地図歩きを楽しんだら、リバークルーズでひと休み。最後は老舗で食事を楽しむというのも乙だろう。ますます発展を続ける日本橋から目が離せない。

 発売中の雑誌『一個人』6月号の特集は、「伊能忠敬と日本地図を巡る旅。」。古地図の魅力や、江戸から続く古の味として日本橋界隈の老舗も掲載している。伝統の味を守りながら、普段着で立ち寄れる名店揃い。日本橋巡りのときには足を運んでみては。

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