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仕事が終わってもまっすぐ帰宅しない「フラリーマン」の心理

「フラリーマン」になぜ夫たちは共感するのか?

●「家では家事や育児をしなければならず、居心地が悪い」27歳の夫

 圧倒的に多くあがったのはフラリーマンへの「共感」と、「自分もフラリーマンだ」という告白だった。
 2歳の息子を育てる雅人さん(仮名・27歳)は「車の中が一番落ち着く場所」と力なく笑う。
「退社後は1、2時間車の中で、スマホゲームをしたり動画を見て過ごしています。家でスマホを見ていると妻からの無言の圧力を感じて落ち着かないし『何かできることはないか』と、聞かないとあとが怖い。仕事が終わってすぐは、家事や育児を手伝う気力がわかないのが正直なところです。家ではぼーっとできないので一人になれる車の中が憩いの場所なんですよ」(雅人さん)

 また、妻からの頼まれごとをこなしても「意味がない」と感じることがあるという。
「たまに洗濯物を干したり、たたんだりもするんですけど、僕のやり方が気に入らないみたいで、結局妻がやり直しているんです。それを見ると『俺がやっても意味ないじゃん!』という気持ちになって、やる気をなくします」(雅人さん)

 雅人さんと同じように「自宅は息が詰まる」と感じているのは、3人の子どもを持つ祐太さん(仮名・36歳)。彼は「家に帰ると家事や育児をしないといけない」というプレッシャーから、つい家の外で時間を潰してしまうという。
「帰宅すると『家にいるならやることやってよ』と妻に言われてしまうんです。特にうちの場合は、いったん家に帰ると家事を全部丸投げされることが多い。『ここまでは私が全部やったんだから、帰ってきたらあなたの担当』というのが、妻の基本姿勢ななんです」(祐太さん)

 雅人さん、祐太さんのように「仕事で疲れていると家事や育児を手伝うのがおっくう」という意見のほかに、「自分の時間がほしい」という意見もあった。
 6歳と3歳の子どもを育てている貴紀さん(仮名・33歳)は、仕事が早く終わった時こそ、自分の興味がわくことに時間を費やしたい、と話す。
「仕事が早く終わったら、気になっているラーメン屋に行ったり、カフェで好きな本をじっくり読んだりしています。また、将来のキャリアを考え、セミナーや勉強会に参加することも。仕事と家庭とは別に、自分の時間がほしい、というのが、僕がフラリーマンをしている理由です」(貴紀さん)

 以前、本特集で「牛乳石鹸」CMへの感想をパパたちに聞いた際、「もちろん家族は大切だが、パパ以外の自分も大切にしたい」というホンネが明らかになった。「一人になりたい」というパパの心の叫びが、フラリーマンという形であらわれているのかもしれない。

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