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夫に子どもの世話を頼むだけなのに「ごめんね」と言ってしまう、妻のツラさ

実録「#うちのインティライミ」――小川さん(仮名・40代女性)の場合

育児を通した夫婦関係について、「夫」目線で考える本特集「『イクメン』って結局なに?」。前回の記事では、2017年放送のドラマ『コウノドリ』(TBS系)をきっかけにツイッターで流行した「#うちのインティライミ」という言葉について紹介し、実際に子育て中の女性がこのハッシュタグのついた投稿内容についてどのように思っているのかを調査した。
くり返しの説明になるが「#うちのインティライミ」とは、同ドラマの中でナオト・インティライミ演じるキャラクターが出産直後の妻に対してとった無神経な言動になぞらえる形で、ドラマを視聴した女性らが自分の夫の「わかっていない」言動をツイッターで投稿する際に使ったキーワードである。
今回は、都内在住で2児(5歳と2歳)の母である小川さん(仮名・40代女性)に、「#うちのインティライミ」の実態についてお話を伺った。

■子どもの面倒を見てもらうとき、思わず謝ってしまった

『コウノドリ』の放送が終了した今も、日々続々とツイッターに投稿される「#うちのインティライミ」エピソード。小川さんは、ドラマは観ていなかったものの、「#うちのインティライミ」というハッシュタグについては知っていたという。
「『#うちのインティライミ』という言葉を通じて、ドラマの中で、ナオト・インティライミさんのキャラクターが、星野源さん(四宮医師)に『手伝うじゃないだろ、あんたの子どもだろ』と怒られるシーンがあったと知り、その一言にはっとしてしまって。実は前に同じようなことを先輩ママに言われたことがあったんです」。

 

 それは以前、小川さんが友人に会うために、休日、子どもの面倒を夫に頼んで出かけたときのことだ。小川さんは平日、多忙な夫に代わり時短勤務の仕事をしながらほぼ一人で子育てをしてきた。いわゆる「ワンオペ育児」状態の暮らしが続く中で、およそ半年ぶりにようやく息抜きができる日がやってきたわけだが、子どもの世話を夫に頼む際、つい「ごめんね」と言ってしまったという。
「そのことを先輩ママに話したら、『あなただけの子どもじゃないんだから、もっと堂々としていなさい』って言われたんです。その言葉をふと思い出してしまいました」。

「#うちのインティライミ」のついたツイッターの投稿内容は人によって様々だが、その背景には多かれ少なかれ、お母さんたちが家事も育児も一人で行う「ワンオペ育児」の窮状があるように思われる。だからこそ、小川さんをはじめとする女性たちは、四宮医師の「手伝うじゃないだろ、あんたの子どもだろ」というセリフに胸を打たれたり、「そうだ、そうだ!」と言いたくなるのだろう。

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