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“仮想通貨バブル”終焉。しかし「ブロックチェーン」は進化し続ける

「仮想通貨元年」の幕引きと、ブロックチェーン時代における「ウォレット」の必要性

■仮想通貨取引とブロックチェーン技術の隔絶

 仮想通貨やブロックチェーンは、2008年にSatoshi Nakamotoを名乗る匿名の人物が発表した「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」という論文に端を発している。

 これらの技術について、森川氏は著書でも「ブロックチェーンの本質は中央管理者のいないこと、つまり分散化だ。分散化によって、より個人が何者かのルールに縛られることなく自由な選択肢を持つことができる」と言及している。

 しかしながら、現状の仮想通貨取引は、中央管理者によるコントロールを前提としたビジネスモデルで成立している。

 Coincheck事件を例に取れば「同社がユーザーの代わりに"管理"していたNEMを盗まれたこと」「NEMの盗難に際して、同社がユーザーの資産の出金を"制限"したこと」などが中央管理者の存在を顕著に表わしているだろう。

 個人が何者かのルールに縛られることなく、自由に自分の資産をコントロールするためには、ブロックチェーン技術を正しく利用する必要がある。

 そのためのアプリケーションが、森川氏が提供するGincoなどの「仮想通貨ウォレット」だ。

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森川 夢佑斗

もりかわ むうと

京都大学在学中にAltaApps株式会社を創業し、仮想通貨のウォレットアプリ開発やブロックチェーンに係るコンサルティングを行う。現在は、株式会社Gincoの代表取締役として、仮想通貨時代の新たな銀行の構築を目指す。著書に『ブロックチェーン入門』(ベスト新書)、『一冊でまるわかり暗号通貨2016~2017』(幻冬舎)など。


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