子供の頃から絵を描くことが好きで、漫画家になることが夢だったという古沢良太さん。仕事と「好きなこと」「向いていること」の関係について聞いた。

――「好きなことを仕事にする」という生き方と、「向いていることを仕事にする」という生き方には、それぞれ良し悪しがあると思います。古沢さんはどう考えますか?

「好き」というのは感情なので、その時々で変化するものですよね。でも、得意なことは生涯にわたって変わらないと思います。それに、得意なことってだいたい好きですよね。「得意だけど嫌い」っていうのはあまりないというか。だから、「人と比べて上手くできるな」と感じるものをヒントにして、仕事をした方がいいと僕自身は思います。「お前はこの能力を使って世の中のためになることをしなさい」と神様に言われているんだ……と思って仕事をすればいい、と考えているというか。

――脚本の仕事については、ご自身としても「得意だ」と感じる部分があったわけですね。

 向いているんだろうな、とは思いますね。

――最初、どんなときにそう感じたんですか?

 

 そうですね……。ほかの脚本家に会うと、愚痴を言っている人や悪口を言っている人、「いかに自分たちは報われないか」みたいなことを言っている人が多かったんです。でも僕は、そういう話を聞いていても、「いやいや、そんなに苦じゃないんですけど」と思っていて。そのときに、「自分はこの仕事を苦しまずにできているんだな」と自覚して、脚本家に向いているのかなと思いました。あと僕は、一人で何かを考えたり、書いたりするのが好きなので。その部分でも向いているんだと思います。

――得意なことであれば人から褒められることもあるでしょうし、そこでやりがいも見出していきやすいでしょうね。

 

 そうですね。でも考えてみると、僕もこの仕事をはじめたときは、書くことが嫌でしたね。でも要領をつかんだら、全然苦ではなくなって「楽しいな」と思うようになった。だから、すぐに見切りをつけないのも大事かもしれないです。

――「嫌だった」というのは、どういう部分が嫌だったんですか?

 単純に上手く書けなかったからですね。それが書けるようになっていくうちに、気付いたら楽しくなっていました。

〈明日の質問は……Q「書いているときに「楽しい!」と思う瞬間はいつでしょうか?」です。〉