セリフがいい。会話のテンポがいい。キャラクターがいい。物語の展開が面白い。描いているテーマが奥深い……。「いい脚本」と呼ばれる脚本には様々なタイプのものがあると思うが、古沢良太さんの考える「いい脚本」とは?
 

――ご自身としては、どのような脚本が「いい脚本」だと思いますか?

 いい脚本は、単純に現場の士気が上がりますよね。印刷した脚本を渡されて、それに沿って仕事をして……と普段はルーティーンで仕事をしているスタッフも、「これは勝負できるぞ」と感じる脚本を渡されると、やっぱりやる気になるはずで。そういう気持ちを起こせる脚本が、いい脚本だと思います。あと脚本家の側が感じることでいうと、1つ明確にある反応は、仕事の依頼が増えるということですね。

――「脚本がいい」と感じられる作品だったら、当然その人に仕事を頼む人は増えるでしょうね。

 そうですね。脚本を担当した作品をきっかけに依頼が殺到するようになり……という時期が、この仕事には何段階かあります。脚本家の側が「いい脚本が書けたかどうか」で感じることといったら、それだけじゃないですかね。

――先ほど「現場の士気が上がる」という話がありましたが、ご自身で撮影現場を訪れたとき、そういった反応が見られると嬉しいものですか? 

 現場に見に行っても、その反応はよくわからないんですよ。でも、後になって聞くと「スタッフはみんなやる気になってたね」みたいなことを言われて。「それ、もっと早く言ってよ」って思います(笑)。

 

――あと単純に、脚本を書いたドラマの視聴率がよければ、「いい仕事ができた」という手応えがあるのではないでしょうか。

 でも、脚本の良し悪しとヒットするかどうかは必ずしも関係なかったりするんです。脚本家の評価って、「彼は書けるよ」「彼女の脚本は良いよ」と業界内で囁かれて、少しずつ情報が行き渡っていくものなので、視聴率とは違う評価もあったりします。

――考えてみれば、ドラマがヒットしても役者がよかったのか、監督がよかったのか、脚本がよかったのか、企画を立てたプロデューサーがよかったのかは、明確に切り分けることが難しそうですね。

 そうですね。最終的には総合力での勝負になりますから。

 
 
〈明日の質問は……Q「「好きなこと」と「向いていること」、どちらを仕事にすべきでしょうか?」です。〉