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上原浩治に聞く Q.6 “一流たち”に負けない戦い方とは?

エリートではなかった上原投手は、どうやって戦い、勝ち残っていったのか?

決してエリートではない。
高校時代は補欠選手で、浪人を経て大学へ入学。無名の存在から一躍日本を代表するピッチャーとなった。「反骨心」を持ちながらいかにして周囲のエリート選手たちと戦ってきたのか?

周りを意識すると自分が乱れる

――前回「反骨心」というお話しを聞きました。そんなエリートではなかった上原さんの、“一流”のエリートに負けない戦い方を教えてください。

僕の場合、周りの人たちに対してライバル意識を持つ、っていうわけでもないんです。実際、周りの選手たちを観察することはありますけど、めちゃくちゃ意識して野球をする、ということはないですから。結局そうやって意識しすぎると逆に自分が乱れてしまうんですね。

だから、そうならないために自分のやるべきことをやって臨む、というのが一番大事だと思います。

――とはいえ、それが一番難しいことのように思います。第4回の話でメジャーでは移籍も多く、すごい選手が入れ替わりのように入ってきます。

そうですね。資金力のあるチームっていうのは特に、すごい選手をどんどん獲得してきますから、そのなかで自分がどう戦えるかが大切になります。野球なので当然、敵と戦わなければいけない。ですけれどその前に、試合に出るために、まずは味方とも戦わないといけないわけです。それはジャイアンツ時代からずっと同じです。ジャイアンツも周りはすごい選手ばかりだったので。

――周りを意識しすぎず自分のやるべきことをやる。これはどうすればできるのでしょうか。つい周囲の目を気にしてしまう人が多いと思うのですが。

すごく難しいですよね。実際、僕もそうやって自分が見えてきたなと思えるようになったのはアメリカに行ってからだと思います。だから34歳の時ですよね。

アメリカに行って、メジャーの選手たちの練習を見て気付いたんです。彼らは本当に周りの目を気にしない。練習にしても自分のやるべきことをやって、すぐに帰ることもざらでした。

それは私生活にしても同じです。メジャーの選手は、周りの選手のプライベートなんてどうでもいいと思っていますから。

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上原 浩治

うえはら こうじ

1975年4月3日生まれ。東海大仰星高校時代は、外野手兼控え投手。1年の浪人後、大阪体育大学に入学し、当時敵なしといわれたキューバ打線を封じ込めるなど投手として注目を集める。1998年にドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。1年目から20勝4敗の好成績を残し、新人王と沢村賞をはじめ最多勝・最優秀防御率・最多奪三振・最高勝率などタイトルを総なめにする。以降、怪我などもありながらジャイアンツのエースとして活躍。2009年に海外FA権を行使しボルチモア・オリオールズに入団。さまざまなポジションを渡り歩きながら着実に実績を重ね、2013年にはテキサス・レンジャーズからボストン・レッドソックスに移籍。シーズン途中からクローザーとなり、リーグチャンピオンシリーズMVPを獲得するなどワールドシリーズチャンピオンに貢献した。現在もボストン・レッドソックスに欠かせない投手として活躍する。



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