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評論家・宇野常寛が考えるメディアの「未来のかたち」

宇野常寛さん3月毎日更新 Q24. 「メディアのあり方は変わっていくと思いますか?」

「BEST T!MES」連載30問30答、3月は宇野常寛さんを特集! 自ら企画ユニット『PLANETS』を主宰、近年はメディアでの活躍も増える中、評論家として最新作『母性のディストピア』が大ヒット中。多彩な活動を続ける彼の「素顔」に30の質問で迫ります。

宇野常寛が考えるメディアの「未来のかたち」

 

 (メディアのかたちは)そりゃあ変わっていきますよね。それって「今後、雨降りますか?」みたいな質問と一緒で、「はい、降りますよ」と答えるしかないわけですよ。まあでも、前回お話した「遅いインターネット計画」のウェブマガジンなんかは、そういったメディアがあると世の中はいい方向に変わっていくと思っています。

 メディアのあり方でいえば、僕は茶番だらけでワイドショーの2軍になってしまったツイッター論壇みたいなものは何も生まないと思っています。そして、何もしないのではなく、きちんと軽蔑していることを正しく示すことが大事だと思うんですよ。すでに10年ぐらい前から「2ちゃんねるにまともに相手するヤツは馬鹿」という空気はできているじゃないですか。それと同じように「ツイッターで識者の言っていることを喜んでRTしているやつは馬鹿」という空気を作らなきゃいけないんですよ。

 

 すでに僕は自分の中ではルールを決めていて、インターネットで識者のそれっぽいつぶやきとかをRTして、自分が何かを言った気になったりとか、炎上に参加して一言くさしているやつとかを見たら、そいつはもう心の中でブロックしています。そういったツイートやRTを見なければいいという話もあるんですけど、わざわざ能動的にチェックしなくても、業界の人たちをフォローしていたら勝手にタイムラインに入ってくるじゃないですか。

 だから、そういった行動を見たらそういう人とは二度と仕事しないようにしています。まあ、どうしてもしなきゃいけない時は我慢することもあるけれど、もう自分からは積極的に仕事をしないですね。相手にしないというか、もう関わらない。だから、ここ5~6年で「宇野から声かからなくなっているな」と思っている人はいっぱいいると思いますし、「最近宇野と仕事してないな」と感じている人もいると思いますが、そういうのは大体ツイッターで醜いことをやった人たちだったりしますね。

〈明日の質問は…… Q25.「「やっておけばよかった」と思うことはありますか?」です。〉

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宇野常寛・著母性のディストピア

 

宮崎駿、富野由悠季、押井守--戦後アニメーションの巨人たちの可能性と限界はどこにあったのか?

宮崎駿論4万字、富野由悠季論10万字、押井守論10万字の作家論を中核に、アニメから戦後という時代の精神をいま、総括する。
そして『シン・ゴジラ』『君の名は』『この世界の片隅に』――現代のアニメ・特撮が象徴するさまよえるこの国の想像力はどこにあるのか?

『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの時代』とその射程を拡大してきた著者の新たな代表作にして、戦後サブカルチャー論の決定版。

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宇野 常寛

うの つねひろ

評論家。1978年生。批評誌〈PLANETS〉編集長。著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)、『日本文化の論点』(筑摩書房)、『母性のディストピア』(集英社)。石破茂との対談『こんな日本をつくりたい』(太田出版)、『静かなる革命へのブループリント この国の未来をつくる7つの対話』(河出書房新社)など多數。企画・編集参加に「思想地図 vol.4」(NHK出版)、「朝日ジャーナル 日本破壊計画」(朝日新聞出版)など。京都精華大学ポップカルチャー学部非常勤講師、立教大学社会学部兼任講師など、その活動は多岐に渡る。


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母性のディストピア
  • 宇野 常寛
  • 2017.10.26