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宇野常寛に聞いた「引退を考えたことはありますか?」

宇野常寛さん3月毎日更新 Q20. 「引退を考えたことはありますか?」

「BEST T!MES」連載30問30答、3月は宇野常寛さんを特集! 自ら企画ユニット『PLANETS』を主宰、近年はメディアでの活躍も増える中、評論家として最新作『母性のディストピア』が大ヒット中。多彩な活動を続ける彼の「素顔」に30の質問で迫ります。

向こう10年はこのまま走り切りたい

 

 それは毎日考えていることです。仕事が嫌いというのではなく、僕は結構「こんな生活をしたい」という欲望が強い人間なんですよ。で、やるべきことをやりきったら、のんびり暮らしたいですよね。例えば、悠々自適に、好きな本を読んで好きな本を書くような生活。まあ、厳密に言えば「引退」というわけじゃないんですが、今みたいに全力疾走で駆け抜けていくのではなく、もうちょっとじっくり、自分のペースでやっていくのもあり得るんじゃないかなと。そんなことを日々思っていますよね。 

 だからといって今すぐそういった生活や引退をしたいとは全く思っていないです。まあ、向こう5~10年は、今までどおり走り切る方がいいんじゃないかなと。走り切ったり、ひと段落ついたら、もう少しじっくり腰を落ち着けてやっていきたいですけどね。そのタイミングが来た時に、仕事への関わり方というか、世の中との関わり方を変えてみてもいいんじゃないかなと思っています。

 

 そのときには、行ったことがないところに行ってみたいですね。例えばアフリカとか僕は行ったことがないので、一度は訪れてみたいですし。あと、僕は東京があんまり好きじゃないんですよ。なので、好きな土地に住んで、好きな生活をしてみたいなとは思いますね。まとめると、引退後は自分の好きなペースで生活してみたいなということです。

 とはいえ、今もやりたいことや残したい仕事はたくさんあって、まだそのリストはびっしり埋まっている状態。引退したり、好きな土地でマイペースに暮らすことは、当分先になりそうですけどね。

〈明日の質問は…… Q21.「今の大学生に感じることは?①」です。〉

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宇野常寛・著母性のディストピア

 

宮崎駿、富野由悠季、押井守--戦後アニメーションの巨人たちの可能性と限界はどこにあったのか?

宮崎駿論4万字、富野由悠季論10万字、押井守論10万字の作家論を中核に、アニメから戦後という時代の精神をいま、総括する。
そして『シン・ゴジラ』『君の名は』『この世界の片隅に』――現代のアニメ・特撮が象徴するさまよえるこの国の想像力はどこにあるのか?

『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの時代』とその射程を拡大してきた著者の新たな代表作にして、戦後サブカルチャー論の決定版。

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宇野 常寛

うの つねひろ

評論家。1978年生。批評誌〈PLANETS〉編集長。著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)、『日本文化の論点』(筑摩書房)、『母性のディストピア』(集英社)。石破茂との対談『こんな日本をつくりたい』(太田出版)、『静かなる革命へのブループリント この国の未来をつくる7つの対話』(河出書房新社)など多數。企画・編集参加に「思想地図 vol.4」(NHK出版)、「朝日ジャーナル 日本破壊計画」(朝日新聞出版)など。京都精華大学ポップカルチャー学部非常勤講師、立教大学社会学部兼任講師など、その活動は多岐に渡る。


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  • 宇野 常寛
  • 2017.10.26