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安倍政権の問題は「右」でも「左」でもなく「下」である。

「副島隆彦×適菜収」異色対談第2回

■忍者佐藤優

副島 そうですね。私は、A か B で、なにごともすべてこの世界のことを明確に分けようとしています。徹底的にダイコトミー(2分法)です。政治とは敵か味方を区別することです。カール・シュミットが言った。私にとって適菜さんは味方だから、これから一緒にゾクゾクっとする本を出したい。ただ政治思想闘争があまりに露骨に出るとみんなが嫌がるから、勘の鋭い人たちにだけわかるような巧妙な書き方もする。変な集団に狙われないように、おちゃらけた主婦や元気な若い人たちに向けて書くのもいい。遊び本を作るセンスは適菜さんは『いたこニーチェ』なんかで得意だから。

適菜 えっ。よく読まれていますね。

副島 娯楽のふりをすることは武器になります。井原西鶴のセンスですよ。幕末に、倒幕、徳川氏打倒という言葉は絶対につかえないので、回天、「天をひっくり返す」と言った。今の中国では民主という言葉は禁句だけど、形だけでもいいからデモクラシーの体制にしないと、中国帝国が世界中で認められるようにならない、ところまで来ています。これからどんどん作って、使ってゆくべき、われわれの知らない危ない言葉はいくらもありますよ。

適菜 私の本も校閲の指摘が多いです。でも、最近は校閲の人も諦めたみたいで、以前より赤字の数が減っていますが。

副島 私もそうです。佐藤優と対談したとき、書名を、『忍者佐藤優と狂犬副島の手裏剣対談』というタイトルにしたかった。でも営業販売から妨害が入って、『世界政治の裏側の真実』というバカみたいなタイトルになった。そうしないと書店が置いてくれないって。狂犬もいけないんだね。

 佐藤優はイスラエルの国家情報機関のモサドの東京の責任者から、「副島隆彦はどういうやつか?」と聞かれて、「いいやつだ」と答えておいてくれた。だから、私は「佐藤さん、どうもありがとう」とお礼を言った。佐藤優には、狂犬・副島隆彦を受け入れる度量がある。人間に度量がないと相手を褒めることができない。私は、公人(パブリック・パーソネッジ)は叩くけど私人は叩かない。安倍みたいな馬鹿野郎は公人だから徹底的に叩きのめさないといけない。最後に検察が籠池を捕まえたでしょう。検察もワルなのだ。始めから警察はまったく動かなかった。警察は首相の命令で動く。森友だけでなく加計学園からも政府のカネが安倍晋三たちに渡っている。

適菜 狂犬がダメなら、「釣りキチ三平」はセーフなのでしょうか。本当の検閲は、社会の「空気」による自主規制のようなものになっていきます。

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  • 適菜 収
  • 2018.02.24