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上原浩治に聞く Q.4 日本で取り入れたほうがいいメジャー式ってありますか?

メジャーリーグの移籍はチームを活性化する!

「野球をすることが楽しみでしょうがない」という小学生のころに感じたような気持ちにさせてくれる、とメジャーの魅力を語る上原投手。ではそんな魅力的なメジャーリーグに日本が学ぶことはあるのだろうか?

ファンと距離が近いメジャーリーグ

――日本で取り入れたほうがいいメジャー式ってありますか? 

どうなんだろう……でもまあ、日本でやっているなら日本のやり方に従うべきだと思うし、別になにかを取り入れたっていうのは強制的するものでもないとは思うけど……。

難しいですね、この質問。

――前回、小学生の気分で球場に行ける、と。そんな雰囲気を作るようにするとか?

確かに前回もお話したとおり、ボールパークのような雰囲気のある、特徴的な球場があってもいいかなとは思いますね。

雰囲気で言えば、2013年のシーズンで、地区優勝を決めたときのスタジアムの雰囲気は忘れられません。ロッカールームでシャンパンファイトをし終え、家族がいるグラウンドに行くと、スタンドにはまだたくさんのファンが残っていた。僕がグラウンドに出ると「KOJI」コールをしてくれて、僕もテンションが上がって思わずフェンスをよじ登っていた(笑)。ファンの方とハイタッチをして一緒に喜べたあの雰囲気は本当にいいなあと思いました。

そういうファンとの距離が物理的にも心理的にも近く感じることは魅力かもしれません。

――なるほど。他に何かありますか?

まあ、取り入れたほうがいいこととは言えないですし、それが日本のいいところであるから勧めることはしないですけど、移籍が多いことはチームを活性化するということはあるかもしれません。

僕もメジャーに来てからいまのボストンで3チーム目で一番長くいるチームになりました。最初にいたボルチモア(オリオールズ)からテキサス(レンジャース)にトレードにだされたときは、シーズン途中。これはメジャーではよくあることで、優勝争いをしているチームが、優勝の望みが低くなったチームから補強したいポイントの選手を獲得する、戦力としてのトレードだったので、なんとかチームに貢献したいと思った。

もちろんボストンに移籍したときもなんとか成績を残したいと思ったし……

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上原 浩治

うえはら こうじ

1975年4月3日生まれ。東海大仰星高校時代は、外野手兼控え投手。1年の浪人後、大阪体育大学に入学し、当時敵なしといわれたキューバ打線を封じ込めるなど投手として注目を集める。1998年にドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。1年目から20勝4敗の好成績を残し、新人王と沢村賞をはじめ最多勝・最優秀防御率・最多奪三振・最高勝率などタイトルを総なめにする。以降、怪我などもありながらジャイアンツのエースとして活躍。2009年に海外FA権を行使しボルチモア・オリオールズに入団。さまざまなポジションを渡り歩きながら着実に実績を重ね、2013年にはテキサス・レンジャーズからボストン・レッドソックスに移籍。シーズン途中からクローザーとなり、リーグチャンピオンシリーズMVPを獲得するなどワールドシリーズチャンピオンに貢献した。現在もボストン・レッドソックスに欠かせない投手として活躍する。



オフィシャルウェブサイト:http://koji-uehara.net/



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