その後、'90年代の軌跡を辿るように、2015年頃からストリートファッションが再評価されるようになる。ここでいうストリートファッションとは、「スニーカー」「裏原ブランド」「G-SHOCK」「レッド・ウィング」といった、'90年代中盤から後半にかけて主に「東京」を流行発信地として発生したスタイルのこと。中でも象徴的なのが’95年にナイキからエアマックスシリーズの8代目として発売されたエアマックス95だ。翌年になるとニセモノの大量発生やエアマックス狩りといった現象まで生まれるほどのセンセーションを巻き起こした。プレ値(プレミアム値段)が付いたことで、さらに人気が加速していくという流れは’90年代を象徴するものといえる。G-SHOCKも同様だ。限定生産のコラボモデルを求めてステューシーの原宿チャプトに大行列ができるなど、かなりの過熱っぷりを見せた。

裏原系ブランドのキャッチィなアウターを軸に、たっぷりめのサイズでまとめていたのが当時のスタイル。入手困難なアイテムを競い合って身につけるのが良しとされ、腕や足元でキッチリと主張するのも忘れない。さらにディスクユニオンなどのレコード屋のバッグで音の匂いもプラス。

 また、’90年代の原宿を語るうえでハズせないのが、いわゆる裏原宿系ブランドの台頭。’93年にNIGO氏によって立ち上げられたア・ベイシング・エイプが代表格だ。同じ文化服装学院出身の高橋盾氏(アンダーカバーのデザイナー)とともに開店したノーウェアが裏原系ショップの先駆けとなり、当時はまだ人通りが少なかった明治通りの東側に続々とブランドショップが生まれていった。ある世代には懐かしく、ある世代には信じられないような話かもしれないが、'90年代の原宿はそんな場所だったのだ。

 

 そんな2013年に端を発した「'90年代リバイバル」は、ファッションにとどまらず同時発生的に様々なカルチャーにも波及していき、今や一つのジャンルとして確立しつつある。
 果たしてこれからの5年間で、この流れがどういう変化を辿るのか、興味は尽きない。