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東海道新幹線の車窓から天守はいくつ見えるか?

外川淳の「城の搦め手」第51回

 拙書『車窓発見101番勝負』(ウェッジ)は、外川淳として最初に発刊した思い出多い1冊。そのころは「10冊出せればいいかな」と思っていたところ、30数冊以上出させていただきました。1冊出すことの大変さを痛感しております。

 ともあれ、「車窓発見101番勝負」は初版?万部で6割ちょっと売れ、もうひと伸びすると、増刷というところで残念ながら……。以来、だいたい私の単行本は、こんな感じの「今一息」というパターンが多い。
 1つのテーマで本を書くと、その後も追及するというタイプではなく、車窓についても、新幹線に乗ればチェックするという程度であったのだが、最近、「ふとしたこと」から、また興味がわいてきた。

 

 さて、クイズです。
 東海道新幹線[東京-新大阪間]の車窓から発見可能な天守の数は? 正解の前に定義から……。まず、国内に残存する12の現存天守のうち、東海道新幹線の車窓から発見できるのは彦根城のみ。距離的には2キロ以上離れているが、肉眼で発見することができる。

彦根城。このカットは堀端のホテルから撮影。車窓からのカットはモノクロのみのための代用

 天守の定義として、現存だけではなく、復元建築も含むとなると、小田原城・名古屋城あたりは、文句なくOKとなる。
 掛川城は、考証的に疑問を感じるものの、OK。清須城は、考証的にも復元位置的にも疑問だらけではあるがOK。

清須城模擬天守

 建設からほどない頃、編集者時代に撮影。遠目で発見したカメラマンが一言。「あれって連れ込み(ファッションホテル)?」
 城のない位置に建設された観光用の熱海城を不可とすると、東海道新幹線[東京-新大阪間]の車窓から発見可能な天守の数は5棟となるが……(次回へと続く)。

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外川 淳

とがわ じゅん

1963年、神奈川県生まれ。早稲田大学日本史学科卒。歴史雑誌の編集者を経て、現在、歴史アナリスト。



戦国時代から幕末維新まで、軍事史を得意分野とする。



著書『秀吉 戦国城盗り物語』『しぶとい戦国武将伝』『完全制覇 戦国合戦史』『早分かり戦国史』など。



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