ニットなど、冬になると取り入れられることの多い「民族柄」。でも、細かい柄の違いやその意味については結構知らないことが多い。今回はそんな知っておくと便利な、民族柄の基礎知識について徹底レクチャー。第1回は「エスニックとフォークロア」について解説していきます!

 

Ethnic(エスニック)は
先住民や少数民族たちの生活・普段着がルーツ

ネイティブアメリカンのアイデンティティを
今に伝える土くさい雰囲気が魅力的

 私たちがエスニックと聞くと、料理のイメージもあってついタイやベトナムなど東南アジアを連想しがちだが、本来は民族や宗教をベースとした土着的な衣服全般を指す。もちろんアジアの民族衣装もここに含まれるが、素材や配色で温かみを感じるネイティブ・アメリカン系の方が、よりカジュアルさがある。また純粋な一族伝承以外にも、アメリカ先住民の文化をベースに独自の進化を続ける、チマヨ柄のようなケースも存在する。

「エスニック」に該当する国や民族はどこで決まる?

 そもそもエスニックの境界線は曖昧で正確には分類できない。ただ、一般的には、アジアや中近東、南米、アフリカなどいわゆる非キリスト教圏を指すことが多い。近代以前のヨーロッパ諸国から見たときの「異国の文化」全体を指すものであり、つまり日本に着物や和柄も、エスニックの一部と解釈できるのだ。

 

Folklore(フォークロア)は
その土地に遺る伝承や歴史を背景にする“民俗”柄

北欧の厳しい環境に適応するなかで生まれた
フェアアイル&ノルディックのニットが人気

 エスニックが特定の民族を軸にしているのに対し、フォークロアはその土地に昔から伝わる風習や伝説などから生まれた民間伝承的なもので、「民俗柄」とも称される。ファッション的にはヨーロッパ、特に北欧の田舎に伝わる素朴でぬくもりのある柄を指すことが多く、フェアアイルやノルディックはその代表例。また寒さの厳しい地方の柄でつくられたため、ベースはニットが中心で、それゆえ網目の細かい模様が多く生まれたと考えられる。

「フェアアイル」と「ノルディック」ってどこが違うの?

 細いボーダー状に幾何学模様が組み込まれているのがフェアアイル、雪柄やトナカイなど北欧の自然が編み込まれたものがノルディック、というのが一般的な分け方。ただし雪柄が幾何学状に入っているものが存在するなど、厳密な分類は難しく、どちらの要素が大きく面積を占めているかで決まることも多い。