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「スーパーラグビー」は本当に必要なのか

Q4.かつてサントリーを率いていたこともありますが、トップリーグの現状と理想形についてはどうお考えですか?

国内リーグの環境を整えてから、スーパーラグビーを考えよ

――その上に、サンウルブズなどのスーパーラグビーが位置すると考えていますか?

ジョーンズ それでは全く意味がありませんね。オーストラリアですら4つのスーパーラグビーのチームしか持っていません。日本にスーパーラグビーは必要でしょうか? 1つも必要かどうかわかりません。サンウルブズのこの2シーズンは悲惨でした。やはり素晴らしい国内リーグの環境を整えてから、スーパーラグビーを考えた方がいいでしょう。

――アルゼンチンは代表チームとスーパーラグビーチームが一体化していますが、日本もそうなるべきなのでしょうか?

ジョーンズ その国によって事情が違いますし、日本はアルゼンチンとは違います。アイルランドにはほとんど国内選手からなるクラブチームしかありません。スコットランド、オーストラリアもそうです。ニュージーランドもそうです。少し違って、イングランドやフランスはインターナショナルなクラブチームです。だから日本は日本にあったチームがいいと思います。まずは地域密着のチームを作った方がいいでしょう。そこでプロとしての契約を結びます。ただ簡単なことではないでしょう。

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エディー・ジョーンズ


 



1960年、オーストラリア、タスマニア州バーニー生まれ。オーストラリア人の父と、日系アメリカ人の母の間に生まれる。1990年代初頭まで、当時オーストラリアの最有力州チームだったニューサウスウェールズ州の代表として活躍、その後引退し、コーチに転身する。2003年、オーストラリアの代表監督としてW杯準優勝、2007年、南アフリカのテクニカルアドバイザーとしてW杯優勝。2009年、サントリーのゼネラルマネージャーに就任。2010年度より監督も兼任し、日本選手権優勝。2012年、日本代表ヘッドコーチに就任。2015年のW杯では、世界的な強豪南アフリカ代表に歴史的な勝利をして、ラグビーファンだけでなく日本中の注目を集めた。現イングランドの代表監督。イングランド代表に就任してからチームは連勝街道を走り、今年2月のシックスネーションズが始まるまでは23戦22勝。今年のシックスネーションズは、3敗を喫したがまだチームは成長過程。2019年、日本で開催されるラグビーW杯での優勝を見据える。


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