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「スーパーラグビー」は本当に必要なのか

Q4.かつてサントリーを率いていたこともありますが、トップリーグの現状と理想形についてはどうお考えですか?

連載「学考」、今回登場するのはラグビーイングランド代表ヘッドコーチ(元日本代表ヘッドコーチ)、エディー・ジョーンズさん。過渡期にある、日本ラグビーのトップチームのありかたについて聞いた。3シーズン目を迎え、開幕戦を間近に控えた「スーパーラグビー」サンウルブズに対しては厳しい評価となった。〈Q4.かつてサントリーを率いていたこともありますが、トップリーグの現状と理想形についてはどうお考えですか?〉

トップリーグは素晴らしい指導者に恵まれている

 

――今シーズン、トヨタ自動車の監督に、2007年のラグビーW杯で南アフリカに優勝をもたらしたジェイク・ホワイトが就任しました。エディーさんの親友でもあります。トヨタ自動車をどう見ていますか?

ジョーンズ トヨタ自動車は非常にタフになりディフェンスがよくなりましたね。アタックも成長しています。非常にシンプルなことがうまくいっています。

――やはり、コーチが変わればチームが変わっていくということでしょうか?

ジョーンズ 本来、日本はサントリーの沢木敬介のようなコーチが前に出ていくべきです。ジェイクもそうですがNTTコミュニケーションズのロブ・ペニーなどもそうです。国籍は関係ありません。素晴らしいコーチが指揮すればいい。そうすれば結果が出ます。

――トップリーグは2019年ラグビーW杯後、システムが変わる方向で話し合われています。理想的な日本ラグビーのトップリーグのシステムは?

ジョーンズ Jリーグのようなシステムがいいと思っています。ラグビーも地域密着の完全なプロチームです。多くても8チームでしょう。8つの強いチームで戦えば非常にレベルが高くなるでしょうね。

 
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エディー・ジョーンズ


 



1960年、オーストラリア、タスマニア州バーニー生まれ。オーストラリア人の父と、日系アメリカ人の母の間に生まれる。1990年代初頭まで、当時オーストラリアの最有力州チームだったニューサウスウェールズ州の代表として活躍、その後引退し、コーチに転身する。2003年、オーストラリアの代表監督としてW杯準優勝、2007年、南アフリカのテクニカルアドバイザーとしてW杯優勝。2009年、サントリーのゼネラルマネージャーに就任。2010年度より監督も兼任し、日本選手権優勝。2012年、日本代表ヘッドコーチに就任。2015年のW杯では、世界的な強豪南アフリカ代表に歴史的な勝利をして、ラグビーファンだけでなく日本中の注目を集めた。現イングランドの代表監督。イングランド代表に就任してからチームは連勝街道を走り、今年2月のシックスネーションズが始まるまでは23戦22勝。今年のシックスネーションズは、3敗を喫したがまだチームは成長過程。2019年、日本で開催されるラグビーW杯での優勝を見据える。


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