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なぜ麻雀が強い人はたいてい勉強もできるのか

4つ、共通するポイントがある 「戦わない」受験勉強法⑤

受験は「努力」が麻雀よりも反映されやすい

 麻雀のほうが受験よりも運やツキの要素が大きいぶん、私は小学生の頃から理不尽だと思う目にたくさん遭ってきました。自分の勝負手が他者の安いアガリで阻止される、待ちの枚数が自分のほうがはるかに多いのに別の人が先にアガってしまう、1ゲームまるまる手が入らなくてテンパイすらできない……など、考えたらキリがありません。

 麻雀では、的確な判断を行っても報われないことが多々あるのです。逆にひょんなことで簡単に勝てることもあるんですけどね。どちらも麻雀の面白さです。

 さて、こんなことを小学生の頃から経験していれば、メンタルは自然と強くなります。途中で心が折れても、次の局には切り替えてまたがんばらなくてはいけませんからね。その強さが受験勉強でも活きたのです。予想外にできない科目や問題があっても、まだ次の教科で取り返せるかもしれないと思えるようになりました。

 大学入試では、トップを取る必要も役満を作る必要もありません。誰もがアガれる役をきっちり作って合格ラインを超えさえすればいいのです。なので、受験勉強をはじめると「努力」が麻雀よりも反映されやすいことに小さな感動を覚えました。

 このように、麻雀で鍛えられたメンタルは受験のさまざまな局面で役に立っていたのです。

 次は④の押し引きについて。麻雀では局面によって「押し=攻撃」と「引き=守備」を使い分ける必要があります。

 自分の手が高かったり良い形だったりしてアガれそうなときは「押し」、ほかの人の手が高そうだったり自分の手が良くないときは「引き」という感じです。この押し引きをその場に応じて考えて的確に実行しなくてはなりません。

 この押し引きを受験に応用することができます。得意科目だったり簡単だったりで点数が稼げそうなときは「押し」、苦手科目だったり難しかったりで最低限のラインを守りたいときは「引き」となります。どちらも勝つためには大切な行為です。

 特に得意科目のときは「親番(麻雀では親は子の1・5倍の得点になる)」だと思って積極的に攻めてみてください。

人生初の役満は小学校4年生の頃。スーアンコー(四暗刻)単騎待ち。父親から「ロン!」しました。親父の背中を超えた瞬間‼︎ 写真/永井 浩

『「戦わない」受験勉強法』より構成〉

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松嶋 桃

まつしま もも

プロ雀士

1984年生まれ。O型の乙女座。愛知県名古屋市出身。日本プロ麻雀協会所属のプロ雀士。



愛称は「京大式小型肉食獣」。



6歳の頃に祖父から麻雀を伝授されて以来、家族麻雀に没頭。



中高は私立の一貫教育で「平和」にのびのび育つも成績は急降下。



心機一転して高3から受験勉強をはじめ、



麻雀で培った独自の「短期間集中の勉強法」で京都大学法学部に現役合格。



大学4年間はさらに麻雀にのめり込むことになる。



就活もせずにうっかり卒業後、同志社のロースクール(法科大学院)に特待生合格。



ここでの経験を通して、初めて自分の本当にやりたいことに気づく。



卒業後、日本プロ麻雀協会の第9期後期プロテストに正規トップ合格。



晴れて「初」の京大卒女流プロ雀士になる。



公式ツイッター『松嶋 桃』https://twitter.com/matsumomo916



公式ブログ『松嶋桃の「ももぶろ」。』https://ameblo.jp/cats-sillabub-momo/


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  • 2017.12.19