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こんなクリスマスは日本だけ?

クリスマスにチキンは食べない!? 海外との違い

 日本ではクリスマス・イブ、つまり、12月24日のほうが盛り上がる。平日にあたるとゆっくり過ごせないので、さらに前日(イブイブということも)の天皇誕生日にクリスマスを行うカップルもいるほどだ。「この日までに恋人を作らなくては!」と焦る若者も多く、家族と過ごすことは恥ずかしいとすら思うことは決して珍しくない。
 しかし海外では、家族とともに過ごすことが多いという。もちろん、若者たちがパーティなどを楽しむこともあるだろうが、日本ほど恋人を意識してはいないようだ。

 このような違いが生まれた背景のひとつには、キリスト教信者の少なさがあげられるだろう。文化庁が発表した平成28年「宗教年鑑」によれば、国内のキリスト教の信者数はたったの1%とのこと。さらに日本では特定の宗教を信仰する人が少なく、そこまでこだわりがないのではないだろうか。
 その証拠というべきか、クリスマスの1週間後には、神社へ初詣に行く姿が見られる。とはいえ、神道を振興しているわけではなく、葬式となると仏式を取り入れるなど、信仰心があるのかないのかわかりにくい状況だ。

 日本では昔から、自分たちの都合の良いように行事をかえてきた歴史があり、クリスマスも日本流にアレンジしたものが広がったと推測できる。お祭り好きの国民性ゆえに、理由をつけて騒ぐきっかけがほしかったのかもしれない。
 また、クリスマスが近づくと、恋人のいない、いわゆる「非リア充」といわれる人たちによって「クリスマス爆発しろ」「クリスマス終了のお知らせ」などの書き込みがSNS上でよく見られるようになる。非婚化がこのまま進めばこちらが主流となり、クリスマスを祝う習慣自体が廃れていく可能性も否めない。

 こうした日本人と祭りの関係については、雑誌『一個人』1月号でも紹介している。民俗学・民族学研究者の神崎宣武さんによる解説もあり、1年を通しイベントの歴史を知ることが可能だ。クリスマス以外にも魅力的な祭事が多い日本のよさをかみ締めてはいかがだろうか。

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