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フルマラソンを「心地よく」完走する秘訣

しんどさから開放されよう 骨ストレッチ•ランニング②

テレビや雑誌などでとりあげられ、いま話題の「骨ストレッチ」。その第一人者で元陸上短距離選手。著名アスリートの動作改善を指導している『骨ストレッチ・ランニング 世界一、ラクに走れる!』著者松村卓さんにわれわれ市民ランナーへのアドバイスを伺った。

「小刻みな目標設定をする」「体の声を聞いて走る」

 

 最近では、ただランニングを続けるだけでなく、フルマラソンにチャレンジしようと考える人が増えてきています。フルマラソンを完走する。サブスリー(=三時間を切るタイムで走ること)を目指す。自己記録を更新する。……こうしたチャレンジはすばらしいですが、体がボロボロになってしまっては喜びも半減してしまいます。

 元気に、心地よく走り、しかも、納得のいく結果を出す。そんな欲張りな夢
を実現させるには、何を心がけたらいいでしょう? 

 私がアドバイスしたいのは、「小刻みな目標設定をする」「体の声を聞いて走る」、この2つのポイントです。小刻みな目標設定については、「初めから大それた目標は持たないようにする」と言い換えてもいいかもしれません。

 たとえば、骨ストレッチの体験者であるSさんは、最初は2キロも走らないうちにふくらはぎが痙攣していたといいます。それが、体をラクに動かすコツをおぼえ、走る楽しさを知り、ジョギングを始めるうちに気がついたらラクに10キロ走れるようになりました。

 10キロ走れるのなら、ハーフマラソンの大会に出てみようか。ここで新しい目標が生まれ、思ったよりもラクに完走できたことで、自信が湧いてきて、少しずつ新しい目標が生まれていったと言います。

 Sさんはそうやってフルマラソンに挑戦し、完走するまでになりましたが、
大事なのはあくまでも小刻みであること。

 最初から高い山を目指そうとする人は、「体の声」を無視して、目標を達成
すること自体に価値を置いてしまいがちです。それではガンバリズムだけが先
行して、楽しさは遠のいてしまいます。
「強い自分になりたい」「自分を変えたい」……こうした思いに駆られて、つ
い頑張りすぎてしまうことがありませんか?

 なりたい自分をイメージすることは大事ですが、目標が達成されて喜んでいるのはあなたの脳だけで、体のほうは悲鳴を上げてしまっているかもしれませ
ん。だとしたら、きっと楽しくはないでしょう。

 
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松村 卓

まつむら たかし

スポーツケア整体研究所株式会社代表。骨ストレッチ創始者。1968 年生まれ。中京大学体育学部体育学科卒業、陸上短距離のスプリンターとして全日本実業団6位などの実績を持つ。引退後、ケガの多かった現役時代のトレーニングを根底から見直し、筋肉ではなく骨の活用に重点を置いた「骨ストレッチ」「骨ストレッチ・ランニング」などを開発。アスリートの動作改善から、一般向けの健康・美容指導まで幅広く活動している。


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