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観光地に続々登場! 外国人増加でできた期間限定のレア標識

【毎月20日更新】世にも奇妙な道路標識 第7回:道路標識もグローバルの時代

外国人向けの「一時停止」と「徐行」

 今年7月には、外国人向けに英語表記入りの「一時停止」および「徐行」標識も登場した。前者は「止まれ」の文字の下に「STOP」、後者は「徐行」の文字の下に「SLOW」の文字が加えられている。「徐行」標識はこれに合わせ、周囲の赤い枠が若干細くなるデザイン変更もなされた。



「一時停止」及び「徐行」標識の新旧デザイン

 海外では「一時停止」の標識は赤い八角形のものが主流で、日本もこれに合わせてデザインを変更する案もあったようだ。実は日本でも、1960年から1963年までは赤い八角形型標識を使っていたのだが、見やすさなどの理由から現在の逆三角形に改められた経緯がある。

アメリカの「一時停止」標識

 ただし、「一時停止」標識は全国に約170万枚もあり、いっせいに八角形型に変更すると約255億円もかかってしまうことになる。といって老朽化したものから順次交換することにすると、全く違ったデザインで同じ意味の標識が混在することになる。これを避けるため、旧標識に「STOP」の文字を入れるだけに落ち着いたのだろう。

 英語入り新標識は少しずつ出回り始めているようだが、残念ながら筆者の地元ではまだ見かけない。というわけで所要で東京に行った折、現物を探してみることとした。ニュース番組で「港区の青山に新標識が設置された」と聞いた気がするという、あやふやな記憶だけが頼りである。

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佐藤 健太郎

さとう けんたろう

1970年兵庫県生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。大手医薬品メーカーの研究職を経て、サイエンスライターとして独立。文系の読者にもわかりやすい解説で定評があり、東京大学大学院理学系研究科の広報担当特任助教として東大の研究実績を対外発信する業務も担当した。『医薬品クライシス』(新潮新書)で2010年科学ジャーナリスト賞、2011年化学コミュニケーション賞を受賞。著書はほかに、『「ゼロリスク社会」の罠』『化学で「透明人間」になれますか?』(ともに光文社新書)、『炭素文明論』(新潮新書)、『ふしぎな国道』『世界史を変えた薬』(ともに講談社現代新書)などがある。


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