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ヒロシ スベりまくりの時期、力となったひと言

ヒロシさん11月毎日更新 Q2 「ヒロシです」が突如ブレイクした理由は何だと思いますか?

若手時代、ライブでスベリまくっていたというヒロシさん。「これでいいのか…」自信をなくしていた所に、その後を決定づけるひと言をもらったといいます。その言葉とは?

3人だけハマってくれたお客さんがいた

 

(なぜ突如ブレイクできたのか?)いやあそれが根本的に僕のネタってあんまり変わってないんです。基本女の人の悪口だったりとか、自分の不甲斐なさの羅列ですから。これは売れる前も、売れた後も変わっていない。

 事実、初めはライブに出て「ヒロシです」をやってスベリまくりでした。ライブハウスで「ヒロシです。……キャバ嬢はカゴ一杯に買い物するとです」とか言ったって、ウケるわけないじゃないですか。お客さんはポカーンですよ(笑)。一部、3人ぐらいハマっているお客さんはいました。ただ僕も芸人なんでそれでは不安だったんです。やっぱりお客さんが100人いるとしたら、この3人よりも残りの97人の笑いをという気持ちでした。

 それでまたいつここの山田さんに相談したんですね。

 

「そのままでいいよ」

「ライブでネタをやってるんですけど、全然です。でも3人は極端に笑ってくれるんです。どうなんでしょう。もっとわかりやすいヤツに変えた方がいいんでしょうか?」

 と聞いたら、こう言ってくれたんです。

「そのままでいいよ」

 山田さんいわく、ライブとTVは違う。ライブはわかりやすいものがウケるけど、それがTVでウケるとは限らない。それまでの僕は目の前のお客さんを笑わせることしか考えていなかった。でも本当に考えるべきは、ブラウン管の向こうのお客さんだったんです。山田さんには、お笑いの戦略的な部分を随分学びました。

「あるある」ネタをやり続けるうち、ライブでは相変わらずウケませんでしたが、だんだんTV番組に呼んでいただけるようになりました。

 ターニングポイントになったのは『笑いの金メダル』ですね。最初に出たときに、くりーむしちゅーさんとか、三宅裕司さんにハマっていただけたんです。「面白いよ! 来週も来ればいいんじゃない」と。それで翌週本当に行ったんですよ、客席に座って収録を見ていました。「本当に来やがった」と呆れられましたが、それから呼んでもらえるようになった。

 街を歩いていても気づかれるようになったのは『笑いの金メダル』に出るようになってからですね。そこから一気に変わりました。

明日の質問は…〈Q3 売れる前と、売れた後、どんな「変化」が“周り”にありましたか?〉です。
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撮影協力:東京ベイ有明ワシントンホテル

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ヒロシ

ひろし

ヒロシ・コーポレーション所属(サンミュージック企画業務提携)

お笑い芸人。漫談師、ベーシスト、俳優。


 



本名、齊藤 健一(さいとう けんいち)。 熊本県荒尾市出身(福岡県大牟田市生まれ)。 九州産業大学商学部商学科卒業。身長175センチメートル、体重70キログラム、血液型はO型。 趣味は釣り、キャンプ、キャンプグッズ集め、家庭菜園、バンド活動(ベース担当)。特技は「あるんだったらテレビに出てるよね」(ヒロシ談)。小型船舶操縦免許取得。自身のいらだちを熊本弁でつぶやく「ヒロシです」が人気を博し、一躍お茶の間の人気者に。最近では、カラオケ喫茶「ヒロシの店」をオープンさせるなど活動の幅を広げている。


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