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定年後の生活は大丈夫? 50代のうちにやっておきたい「支出」の見直し

定年後の家計の守り方②

定年後を、どう生きるか。それは働く世代にとっての永遠のテーマかもしれません。
そこで今回は、定年後の「家計」に注目。「定年後も暮らしていけるのか」という漠然とした不安を抱えていながら、それをどう解消すればいいかわからないという人のために、ファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さんが、定年後の家計管理のコツをやさしく解説してくれました(第2回/全3回)。

◆定年後の家計は、いかに支出を減らすかにかかっている

 

 50代になると、定年後の暮らしについて考えることが多くなると思います。なかでも、お金の問題は重要。定年後、会社勤めの人の7~8割ぐらいは再雇用されて、65歳ぐらいまで働くようですが、収入の減少はほぼ避けられないでしょう。また、定年退職以前に55歳で役職定年を迎えるところもありますから、その時点から収入は下がるか、あるいは以降横ばいになってしまいます。

 家計を改善しようとするとき、できることは大きく分けて二つしかありません。働いて収入を増やすか、または支出を減らすかのどちらかです。妻がパートタイマーとして収入を得ていることもありますが、定年前と比べて定年後の収入が増える可能性は極めて低いですから、どうしても出ていく方のお金を見直さざるを得ないということになります。
 具体的には、今50代の人でしたら、現在の支出を70%ほどに抑えるイメージを持つ必要があるでしょう。

◆支出の見直しは「固定費」から

 ただし、いきなり3割も支出を減らすのは、さすがにしんどいのでは……と思う方もいるでしょう。そんな方がまず見直すと良いのは、「固定費」です。
 家計の支出を見直すとき、食費のような変動費を抑えようとする人がいます。しかし、変動費の抑制には細かい家計管理が求められるので、労力がかかりかなり大変です。今まで家計簿等で細かいところまで収支を把握できていた人ならそれが可能かもしれませんが、もしもそうでないとしたら、負担になってしまいます。
 対して、固定費の見直しは、収支の管理が楽という点でメリットがあります。固定費は、定期的にいくら引かれるかが通帳などでわかるので、確認がしやすく、家計簿のつけ方が多少ズボラでも、楽に見直しができます。また、普段家計管理を妻に任せているという男性でも管理ができるというのも利点です。

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井戸 美枝

いど みえ

CFP®、社会保険労務士。神戸市生まれ。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。社会保障審議会企業年金部会委員。確定拠出年金運用に関する専門委員会委員。経済エッセイストとして活動し、人生の神髄はシンプルライフにあると信じる。

近著に『ズボラの人のための確定拠出年金入門』(プレジデント社)『定年男子定年女子』(日経BP社)『身近な人が元気なうちに話しておきたいお金のこと介護のこと』(東洋経済新報社)などがある。


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