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エマ・ワトソンの言葉から21世紀のフェミニズムを考える

ガラスの天井のひらきかた①

性別を区別しない賞をつくった意義

 また、エマ・ワトソンは、2017年5月に行われたMTVの授賞式で、「最優秀俳優賞」の映画部門を『美女と野獣』で受賞し、そのスピーチを含め、話題になりました。

「MTVが歴史上初めてとなる、性別を区別しない賞をつくったことは、私達ひとりひとりにとって、それぞれ意味を持つことでしょう。私は『演技とは、他人の立場になれるもの。2つのカテゴリーに分ける必要はない』と教えてもらいました。 誰かの気持ちを理解したり、想像力を駆使したりすることに制限はありません」

 「男優賞」「女優賞」といった、性別の壁を取り払った「最優秀俳優賞」――。

 昔からそうでしたが、私は女同士でつるむことが苦手です。

 みんなでお弁当を食べるところまではギリギリ許容できますが、連れ立ってお手洗いに行くなんてナンセンスだと思っていました。

 『女子会』も、最初は「言いたいことが言える」「ストレス発散になる」と楽しみに行っていた人たちが、やがて「行かないと悪口を言われるから」と欠席裁判を恐れるようになり、仕事を無理してでも出席しなければと負担が大きくなり、続かなくなります。

 もっと、シンデレラストーリーや、アメリカンドリームのような、ハッピーやラッキーな成功例が欲しいものです。

 また女性は、政治や経済といった、社会に興味を持つよう育てられてきていないので、半径5m以内の興味……つまり彼氏や夫や子供や同僚や、仕事や趣味やファッションやTVの話に終始し、狭い視野のまま、ネタが尽きてしまうのです。

 2016年に世界経済フォーラムが発表した『ジェンダー・ギャップ指数』(各国内のさまざまな分野における男女間格差を数値化したランキング)は、測定可能な144カ国中、日本は111位と、かなり下の方です。

 これは、教育と健康分野に置ける点数が満点に近いにもかかわらず、政治・経済の点数が異常に低いからです。

 女性の国会議員の比率が10%強しかないことでもわかるように、女性活躍推進委員会をわざわざ作らねばならないほど、日本人女性の政経オンチ度は根深いのです。

 ある生物学者が、『男女混合で様々な年齢の人々が集うことが健全である』と述べているように、 歳も過ぎると、相性のいい、気の合う人同士が場を囲む会にしか出たくはないと思うのです。

 今後も、性差の壁はどんどんなくなっていくと思います。

 そうなった時に、どのように表現するかはあなた次第です。

ガラスの天井のひらきかた あなたの成長を喜ばない人たちへの処方箋』より抜粋 

 

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いつか

いつか

東京生まれ。著書は『わたし幸せじゃないの?』(経済界)、

『一流のサービスを受ける人になる方法』(日本経済新聞出版社)、恋愛・結婚についてのエッセーや自己啓発書、

ビジネス書など電子書籍を含め50冊を超える。世界50カ国以上を訪問し、各国各界に多彩な人脈を持つ。

「角川いつか」として上梓した著書は多数。ベストセラーとなった『成功する男はみな、非情である。』

(PHP研究所/だいわ文庫)『別れたほうがイイ男 手放してはいけないイイ男』(PHP研究所)はアジア各国で翻訳された。

オフィシャルサイト http://www.itsuka-k.com


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