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2日間、7時間の長考の末に…。加藤一二三氏がたどり着いた「勝負手」の奇跡

加藤一二三さん9月毎日更新 Q3. 「じっくり考えること」のメリットは何ですか?

「感動できるもの」将棋の芸術性にも気づいた

 そしてこの経験からは「将棋は深い」ということ以外にも気づくことがありました。少し抽象的な表現になってしまいますが、「自分が指す手で“感動”する経験」をしたのです。私にとっては初のタイトル獲得、初めて真剣勝負で戦って“ 感動”できた。将棋、つまり勝負は「深い」ということと同時に「感動できるもの」なのです。

 私は、自分が経験したこのような将棋の魅力をファンの方にも抱いてほしいと思っています。私が本を積極的に執筆しているのもそれを伝えたいという思いがあります。

 将棋は感動できるものですから、芸術に昇華できたらいいなという風にも思っています。私は音楽好きで、クラシック音楽なんかを聞いて感動しますが、将棋というものも将棋ファンにとっては感動してもらえるような「作品」だという風に確信していますね。

 7時間もの長考を通して、結果的に本来の将棋の姿のようなものを感じられたと思っています。

明日の第四回の質問は「Q4.将棋の世界にも「駆け引き」のようなものはあるのでしょうか。また、「勝負師」とはどんな人でしょうか。」です。

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