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“なんくるないさ” なぜ沖縄の人は悲壮感がないのか?

日本の最貧困地帯 沖縄のリアル③

日本の最貧困地区と言われる沖縄。そのリアルを個々の事例に踏み込みながら活写する。

豊かさの中にも貧しさがある、貧しさの中にも豊かさがある。

貧困率全国1位の沖縄

 

 沖縄県の貧困率が全国1位という不名誉なデータが発表された。
 貧困率をざっくり定義するならば、所得が低い家庭が多いということである。

 確かに、平均賃金は全国ワースト1位。他都道府県に比べて貧しい家庭が多いという事実は否定できない。またこれまで2回にわたって、「最底辺」とも呼べるような悲惨な貧困の例を紹介してきた。それぞれ「高い離婚率と母子家庭が生み出す貧困」、「負の連鎖を引きずる貧困」といった沖縄に根深い貧困の類型が浮かび上がったことだろう。

 しかし、ここではまた違った角度から沖縄の貧困を考えてみたい。

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神里 純平

1979年生まれ。沖縄県在住の会社員。

中堅のリサイクルメーカーにサラリーマンとして勤務し、会社内から出る産業廃棄物の収集運搬やグループ内の在庫移動の業務に従事する毎日。少年の頃には紆余曲折があったが、現在は友人たちと一緒に、仕事後や休みの日に子どもたちに格闘技を指導することがライフワークとなっている。好きな言葉は「人生一生雑巾がけ」。著書に『沖縄裏の歩き方』(彩図社)がある。


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