「私は母親とは違う」300万円もの借金を抱えた風俗嬢
日本の最貧困地帯 沖縄のリアル①
日本の最貧困地区と言われる沖縄。そのリアルを個々の事例に踏み込みながら活写する。
「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」(トルストイ『アンナカレーニナ』より)
・前田なつきさんの場合(38歳・那覇市・風俗嬢)
ここで紹介する前田さんは沖縄本島那覇市の繁華街、松山の近くにある築25年の1LDKアパートで一人で暮らしをする38歳の女性である。普通のOLとは違い水商売の女性独特の化粧のため同年代より若く見える。しかし隠しきれない深いしわが彼女の悲惨な人生を象徴しているように見える。
前田さんを知ったのは、私がまだ二十代前半の時に松山で客引きをしている時。友人から紹介され、以来10数年来の友人である。