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一流の人は「本を最後まで読まない」。その理由

成毛眞氏に聞く、本の読み方②

何か引っかかるものがあればいい

――少しでも触れたことに意味がある。

 子供のころに歌舞伎を観に行かされたんですけど、やっぱり面白くないんですよ。でも、いま興味が出てきて、友達と歌舞伎の話をするときに「僕は小学校から観てますよ」とか言えたりしてますから(笑)。なんでも1回でも触れていれば、経験や知識が蓄積されている。本も同じで、ちょっとしか読んでいないものでも引っかかるものがあれば、身についているんです。それがいろんなチャンスに繋がるし、読んでいる本のジャンルが多ければ多いほど、その知識が活かされる確率が増えるっていうことですよね。

――読書は仕事上のチャンスに繋がりますか?

 例えば、仕事で新たにAIを導入するってことになって、そういう本を読んだことがありますって言うのと、これから読みますって人じゃぜんぜん違いますよね。これから頑張りますって人に仕事は任されないですよ。一般大衆と同じ知識レベルなら、通勤電車で隣あった人に頼んでも同じことですから。でも、ここで重要なのはそういう「仕事のため」とか「何かに繋がる」と思って本を読んでもまったく意味がないってこと。先にも言いましたけど、本は娯楽なんだから、自分が面白いと思わないかぎり読むべきではない。面白いと思って読んだことがたまたま仕事に繋がったり、新しいアイディアの源泉になったりするということですよね。

――それで「超並列読書術」が必要だ、と。

 自分はこれがいいと思うし、解説した本まで書いていますけど、いわゆる読書術に凝りすぎるのもよくないですよ。方法はひとつじゃないですから。僕はちょっと多動の傾向があるから、こういう多読が向いているような気もするし。速読とか、1冊にグっと集中できる人もいますよね。それぞれ自分にあった読書法を考えてみるっていうのも大事です。

 それこそ、他の人がやってる読書法をそのままやったって大衆のままです。スポーツだって、最近はひとつのトレーニングに集中するんじゃなくて、いろんな練習法をサーキットするほうが効果的とされていますよね。苦しいことをガマンして続けるんじゃなくて、興味があって楽しいことをやったほうが成長できるはず。でも、なぜか読書になると、いまだに「最後まで頑張れ」とか「目標のために読め」っていう風潮になっている。まずはそれを脱したほうがいいと思いますね。

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