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久坂玄瑞と高杉晋作だけでない! 尊王攘夷のために奮闘した松下村塾の志士達

歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第20回 ~松下村塾の志士達~

○品川 弥二郎(しながわ やじろう)1843-1900
 生年月日:天保14年閏9月29日(1843年11月20日)

 若くして亡くなる塾生が多い中、明治維新後も活躍し続けた品川弥二郎を鑑定する。弥二郎は、少年中最も松陰に属望された。松陰の間部暗殺計画に加盟。松陰の投獄に異論を唱えて家囚を命じられた。

 禁門の変に参加するも敗走、帰国し、その後薩長両藩の連絡にあたった。明治維新後は、フランス、イギリス、ドイツに滞在し帰国。内務大臣や枢密顧問官などを歴任し58歳で生涯を閉じた。

 通変星と十二運星を見て、弥二郎の性格を読み解いていく。

「偏官(へんかん)」…攻撃的、行動的な性格。考えずに行動する。

「印綬(いんじゅ)」…学校の勉強が得意な頭のいい星。

「正財(せいざい)」…誠実でまじめ人間。家庭的で友達に恵まれる。気遣いができ人から信頼される。2つ持っているため、この性質が強まっている可能性がある。

「正官(せいかん)」…プライドが高く真面目。世間体を気にする性格。

「絶(ぜつ)」…天才肌であるが、精神的に不安定。裏切られやすい側面を持つ。

「墓(ぼ)」…ご先祖との縁が深い。凝り性な性格。

「沐浴(もくよく)」…自由きままな性格。外国に縁があり放浪好き。

 命式表を総じてみると、一見九一の命式に少し似ているような気がする。九一のようにバランスが取れているが、弥二郎のほうがさらに真面目でプライドが高いイメージだろうか。

 また、人を引っ張るというよりは、組織になじんで活躍するタイプである。松陰は弥二郎について「温厚正直で人情に厚く、うわべを飾らない。抜きん出た能力はないが、心が広く奥深いのが優れている」と評価したという。だからこそ、明治維新後も生きながらえたのかもしれない。

吉田稔麿誕生の地(筆者撮影)

 あまり知られていないが、一人で藩内クーデターを起こそうとする晋作に味方し、その成否のカギを握っていた豪農を味方に引き入れたのは弥二郎の働きであった。真面目で気遣いができた弥二郎だからこそできた技なのかもしれない。

 松下村塾の生徒というと、久坂玄瑞と高杉晋作がどうしても目立ってしまい、他の人物については意外に知られていない。個々人を見ると、それほど突出した才能があるわけではなさそうである。様々な個性を持った人物が集い、尊王攘夷という一つの目標を成し遂げるために団結し奮闘したことで、明治維新への扉を開くに至ったのだろう。

萩城趾
■四柱推命とは?
古代中国で生まれた「過去、現在、未来」を予見する運命学のひとつで、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)をもとに、人が生まれながらにして持っている性格、能力、素質を理解し、その人の努力や経験で変わる後天的な運命までも予測することができる。
具体的には、生まれた日(生まれた年・月・日・時間)をもとに命式表(めいしきひょう)を作成し占っていく。なお、ここでは生まれた時間は鑑定に含めていない。
「国史大辞典」に記載されている生年月日を、「和洋暦換算事典」を用いてグレゴリオ暦に換算し鑑定している。
■用語説明
日柱の干支:その人の本質を表す重要な部分
主星(しゅせい):月柱の蔵干通変星で、その人を表す最も重要な星。主に仕事運を表す。
自星(じせい):日柱の蔵干通変星で、その人のプライベートな部分の性格を表す重要な星。

【参考文献】
「松下村塾 近代日本を創った教育」池田諭 広済堂出版(1968)
「松下村塾」古川薫 新潮社(1995)

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妃萃(本名:油川さゆり)

ひすい

青森県八戸市出身。慶應義塾大学 社会学研究科 教育学専攻 修士課程修了、同研究科 同専攻 後期博士課程在学中。2013年鳥海流・鳥海伯萃より四柱推命の指南を受ける。これまで500人以上を鑑定。多数の弟子を輩出。

元放送局報道記者。フリーアナウンサーとして、BS11の番組にレギュラー出演しているほか、ナレーターや司会として活動中。日本の歴史、伝統芸能を伝えるため、歴史勉強会、その他イベントを主宰。自身も大和言葉、辞世の句、武田氏と油川氏等について講演活動を行う。合同会社真己、共同代表。また、2016年6月から「カミムスヒ」というソングユニットで歌手活動を開始。手話検定3級、ホームヘルパー、視覚障害者ガイドヘルパーの資格を持ち、社会福祉活動に積極的に携わる。


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