©KOTOBUKIYA/FAGirl project

 

川口●最初の段階からFAガールたちはCGというのは決まっていたんですが、あおは作画になるかどうかは決まってなかったんです。そこも含めて、作りをどうするかをこの作品に参加してから話し合って詰めていった感じでした。最初は『トムとジェリー』みたいに、あおに相当する人間キャラは体の一部しか見せないようにしようかとか。そういう案もありました。

赤尾●そうそう。そうでしたよね!

杉山●人は出さないという話もありましたね(笑)。

川口●でも、一応FAガールとは別に人間の主人公がいた方が良いだろうと。それで、小さなペットと女の子が交流する話みたいな方向にまとめていったんですね。

──本編を観ていてなんとなく匂い立つ女児アニメっぽさは、そういうところから来ているんですね?

川口●ええ、そこは割と狙ってやってたところはあると思います。そこに、あおがパーツを組んだりとかFAガールが部屋を作ってみたりというホビーテイストを入れ込んでる感じですね。

杉山●「小さなペットと女の子が交流」という方向性が出たとき、ああした作品では、ある程度動物を擬人化してその子たちだけでワイワイする分にはいいけど、女の子との意思の疎通が出来ない部分をこの作品ではどうするかの? みたいな話もさせてもらったりしました。

──そうした日常ベースの話の中に、「セッション」というVR空間でのバトルシーンを組みこむ形にしていますね

川口●やっぱり、そういう感じになるかなぁと。バトルは仮想的なシミュレーションで、というのは、昔からあるパターンの一つですから。それをどうこの作品ならではの形に落とし込めるか? で。

杉山●あおの部屋の中ではバトルはできないので、どこか異空間に持っていかないとと。特撮ものじゃないですけど(笑)、戦いのシーンではそれ専用の空間が出現すれば良いよねって。監督は特撮にも詳しいですから(笑)。そこでみんなでいろいろとイメージやアイデアを持ち寄った結果、VR空間で戦わせることにしましょうと。そういう便利な空間があれば、色々出来ますから。それで、その空間に移動するのにはどうしようかっていう話になって。

川口●それでセッションベースが出てきたんですけど。

赤尾●最初は、「そういう空間を発生させるレジャーシート的なものを、ベロ〜ンと床に敷けば良いじゃない?」とか、そんなこともいってましたよね(笑)。

川口●それは、最初の時点ではあおの家はワンルームマンションじゃなくて、立川の古い一軒家っていう設定だったからなんです。畳のお座敷でも大丈夫っていう発想で。

赤尾●1話の脚本の初稿では、まだ広いお屋敷のイメージで書いてました。

川口●だからなぜか屋敷の蔵に、コトブキニッパーがあった設定だったんです(笑)。

赤尾●お祖母ちゃん、すごい! みたいな(笑)。

杉山●ロボット掃除機も蔵にあったという予定だったんですね(笑)。

──「バトルをする」といった意味合いで使われる「セッション」という言葉は?

川口●あれは赤尾さんに考えてもらいました。とにかくまず、この作品ならではのワードが欲しいという話をしていて。次回予告の最後の「次回もセッション!」もそこから来てます。 

赤尾●各キャラクターがバトルを開始する際に使う台詞や、決め台詞になる単語は、オリジナルのものを作りましょうということで。「はーい」って(笑)。

川口●それで一言「セッション」。でも、それぞれもう一言「ゴー!」とか「いっくよ〜」とか言うことになっちゃって(一同・笑)。

──FAガールたちのバトルは、毎回必ずあるわけではないですね。

川口●でもバトルシーンがない話でも、バトル的な活躍をさせてたと思うんですよ。

赤尾●おつかいで競争したりとか。

川口●戦うだけがFAガールじゃないので。商品が先に存在しているのはとても大きいところがあって、話を考える上で手に取って遊ぶことが出来るので、バトルパートよりも日常パートの方が再現しやすいんですよ。例えば相撲を取らせるとか(笑)。放送を、自分のFAガールと一緒に見ているファンの人もいるみたいですし。

赤尾●プラモデルっていうのは、私はロボットとかメカだと思ってたんですよ。でもFAガールは全然違うじゃないですか。女の子の感覚で行くと、ドールと同じなんですけど、そういう女の子の感覚を男の人も持つものなの? って。そういう愛で方の感覚を男の人も持つんだって驚きました。

川口●ちょっと独特ですよね。

赤尾●そう、独特だなって思いました。でもカッコ良い部分もすごく好きで、すごいバランス感覚の中で愛でているんだなって。

杉山●うちに下吹越という、アニメディレクターで、女児向けアニメがも大好きなスタッフがいるんですけど、彼がこの作品に於ける「被験体」なんですよ。「お前、どういう感じが好きなの?」って訊いて、彼が一番好きなFAガールの要素を絞り出すんですよ。

川口●本編での各FAガールのキャラ性は、だいたい下吹越さんが考えたベースがあるんです。性格から一人称の言い方まで、かなり細かい設定が作られているんです。全ては使ってはいないですけど。

杉山●キャラ性を考えていたときに、FAガールたちに属性によって特徴をつけてあげる必要があるので、それをまずつけることにしたんですね。スティレットはツンデレとすぐに決まったんですよ。「主人公の轟雷はどうしようか?」「ファン目線だと主人公は影が薄くなりがちだから無感情で良いんじゃない?」みたいなやりとりをして、監督たちにご相談させていただく上で、被検体である下吹越の意見を反映させたキャラ性の資料を作ったんですよ。

川口●あれはでもすごく分かりやすかったです。

赤尾●でしたね。その資料をベースにして脚本も考えていきましたし、実際に台詞回しとかで「こういう言い方をしても大丈夫ですか?」ということにも、その場で下吹越さんがジャッジして「いや、言わないです」みたいな。すごく心の中でFAガールたちが生きてるな! って(笑)。いてくださって、とても助かりました。

──言ってみれば、下吹越さんがキャラクタースーパーバイザーみたいな役割を担っていたんですね。

川口赤尾●ああ、そうですね。

 

――『FRAME ARMS GIRLヒロインBOOK』Talk about FAGirl01より1/6ほどを引用。気になる続きは本書をチェック!