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「ミニマリスト」とは何か?

インタビュー/『最小限主義。』著者・沼畑直樹

Q. 最近書店やテレビ番組などで、「ミニマリズム」「ミニマリスト」の文字を見かけることが多くなりました。今年の流行語大賞に「ミニマリスト」がノミネートされていたことからも、その話題性が伺えます。どうして今、ミニマリズムが流行るのでしょうか?

沼畑 日本人のミニマリズムとしては、和歌や俳句、東山文化といった伝統があり、ミニマリズムの暮らしも長い間引き継がれています。しかし、大局で見ると明治維新以降にそれは「衰退」し、戦後の高度経済成長で「駆逐」されました。

それでも、それぞれの心の中にはミニマリズムの性格が残っていて、それが表面にあらわれはじめたのが今だということだと思います。

豊かになった現代で多くの人に「どこまでモノを買い、増やしていいのか」という問いが生まれ、「最小限主義」という価値観が答えを導いたということです。

今はまだ「モノを少なく暮らす」という点に焦点があてられていますが、今後は「生き方」「判断」のツールとしての多様性を見せてくれると思います。

 

Q. 読者の中には、「物を捨てたいけど、なかなか捨てられない」という人も多いと思います。どうすれば「ミニマリズム」を実践できるようになりますか?

沼畑 最初に私が考えたのは、「自分の好きなものをまわりに置かない」ということです。海外に行ったとき、ホテルに行ったときのミニマリズムな気分を思い出します。必要なモノは置き、好きなものは手放す。そうして、自分の好きなモノがない空間を部屋で実現しようと心がけます。

私はその方法で、壁一面の本棚に詰まった大量の書籍を4冊に減らしました。結果、「持たない歓び」と「空間」を楽しんでいます。

 

Q. 最後に、読者のみなさんにメッセージをお願いします

沼畑 《最小限主義。》というタイトルに、「ミニマリズム」を徹底的に追究した本だと思うかもしれませんが、実際は日々の日常を綴った本です。

「ミニマリズムの暮らしは修行のようでは?」という問いを受けますが、まったくそんなことはありません。「意識高い系」とも揶揄されますが、実際は「意識究極に高い系」です。「ミニマリズム」の素晴らしさは、意識も感性も数段上がること。どうして感性が上がるのか、この本を読み終わったときに納得していただけると確信しています。

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沼畑 直樹

ぬまはた なおき

ミニマリスト。テーブルマガジンズ代表。元バックパッカー。

2013年、「ミニマリズム」「ミニマリスト」についての記事を発表し、佐々木典士氏とともにブログサイト≪ミニマル&イズム(minimalism.jp)≫をたち上げる。 著書は、小説『ハテナシ』、写真集『ジヴェリ』『パールロード』(Rem York Maash Haas名義)など。


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  • 2015.11.21